★★★ 2020年3月8日(日) MOVIXあまがあき6
見る前に懸念した
①過剰なヒロイズムや扇情性
②時の総理に対する必要以上の毀誉褒貶
であるが、その点に関して露骨な扇動はなかった。
と思う。
俺は、関西系のテレビで、原作の門田氏が管直人をむちゃくちゃ攻撃するのを見ていて、そこまでいわんでもと思っていた。
であるから、佐野史郎演じる総理も目一杯クソ野郎になってるんやろなと思ってました。
総理自らが現場に乗り込んで行った。
それによって現場が要らぬ撹乱を強いられた。
というのだが、しかし、あのマジで数千万人が放射能に晒され、日本が壊滅する可能性が現実のものとなったときに、渦中いて正しい判断を下せる為政者がいるんでしょうかって思う。
阪神大震災のときの村山さんなんて、倫敦巴里むいて良きに図らえやったんちゃいましたっけ。
思ったように情報が上がって来ないのに業を煮やし居ても立ってもおられず現場に乗り込んだ。仕方ないと思う。
糾弾されるべきは、官邸と緊密な連携をしなかった東電の経営陣で、そいつらはこの映画には一切出てこないんです。
まあ、俺は民主党政権を擁護するつもりなんてこれっぽっちもないし、先述の左派から極右番組と言われてる某関西系のテレビ「◯◯委員会」を中道と思って見てる人間なんですが、②に関してはそれでも違うんちゃうかと思うので書かせてもらいました。
当たり前だが、当時、原発施設内にいて、事故に立ち向かった人々には誰一人感謝と賞賛以外の気持ちは持ち得ない。
しかし、人間の行動や勇気や冷静な対応によって最悪の事態を免れたわけではないことも、映画は描いている。
全ては偶然によって助けられた。
そのことは、もう少し知られて然るべきだろう。
中身を読んでないが、キネ旬の短評欄で3人の評者が3人とも★1をつけていたように思う。
俺も大した映画やないと思うが、それでも業界に蔓延する思想的ファシズムを感じてものすごく気持ち悪いと思いました。
若い奴は帰れ後は年寄りに任せろ。原発の外の福祉肥大社会でそういう老人がどんだけいるのか。未曾有の国の存亡危機に情報の埒外に置かれたら現場に乗り込み見極めねば為政者は本分を果たせない。撃たれるべきを描かぬ映画だが枠外では色々考えさせられる。(cinemascape)