男の痰壺

映画の感想中心です

おもひでのしずく (2009年9月28日 (月))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。

 

そして誰もいなくなった

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休日にスーパーに金魚のエサを買いに行こうとしたら、子供に「ジャンプ」買って来てと言われたが、スーパー内の本屋では売り切れで、コンビニに行ったがやはり売り切れで、代わりに「ブラックジャック」の単行本を買って帰った。

まず、長男に読ませると、第1話を読んで
「うげー!気持ち悪い」と投げ出した。
次に、次男に読ませると、第1話を読んで

「バリキッショーっ!」と投げ出した。

「お前らぜったいロクなもんならんわ」
俺は心の中でつぶやく。
「ええか、てめーら、本当にキショいのは『ワンピース』とか『ポケモン』とか『ナルト』とか『クレしん』とか『サザエさん』とかちゃうんか」
俺は唇を閉じ口内無声音でつぶやく。
「てゆーか、お前ら金魚にエサやり過ぎやねん。せやから、いっつも真っ茶色に濁ってもうて何も見えへんねん」
俺は声帯無振動法を駆使してつぶやく。

俺の内部で何かが膨張してゆく。
最早、臨界点を超え、メタモルフォーゼが始まろうとしている。
やばい!このままでは…。

「まーあれやな、なりふり構わずの相撲は好感もったけど、やっぱあかんやろ!ガッツはよー…なあ」
TVで大相撲千秋楽の優勝決定戦見ながら、俺はやっと声を外に出した。
…でも、誰もいなかった。