男の痰壺

映画の感想中心です

おもひでのしずく (2010年3月8日 (月))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。

 

沈没への誘い

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先週の金曜日に本屋で「2014年日本国破産」(浅井隆著)という本を立ち読みした。
日本の財政赤字についてはアホほど本が出てるが、こいつは今までで最もピンとくる内容であった。
何故なら、こに本では、日本が財政破綻するのはもはや不可避と明確に書いてあるから。

タイタニック号の沈没になぞらえた破綻過程。
何かにぶつかったような気がしたが、気にするな~とドンチャン騒ぎのパーティ会場。
その間、船底では怒涛の勢いで浸水がすすんでる。
何かちょっと傾いてない?…気にしない~!とドンチャンドンチャン。
あれ、物転がりだしたよ。甲板出てみよか…。
と思ったときは遅かった。一気に垂直状態に屹立した船体は哀れ海の中に轟音とともに沈んでいくのであった。

破綻の過程で、あるいは破綻後に何が起こるか。
金利の劇的上昇のあとにハイパーインフレが発生。
米国債売却を阻止するためIMFが介入、預貯金は凍結され没収される。

であるなら、悪くもないやん。
なぜって俺は預貯金ゼロやし、一方で住宅ローンはアホほど残ってる。
借金はインフレで目減りし、お金もってる人たちは没収される。

でも、生活は激変するんやろな…。
仕事を失くし、芋で生活する日々が到来する。
悠長に映画みてるなんて今だけやね。

 

というわけで、土曜日。
映画三昧の道行に赴く。
TOHOシネマズ梅田で「ハート・ロッカー
梅田ブルク7で「人の砂漠」
天六ユウラク座で「奴隷船」
とまあ、「ハート・ロッカー」はともかく、あとの2本は気が滅入った。
俺は、愛染恭子もSMもそんなに関心はなかったが「奴隷船」には多くの団塊世代と思しき親爺どもが馳せ参じていた。

映画が終わって俺は席を立つ。
そそくさと映画館の暗闇から出ていく親爺ども。
その多くの疲れ切った背中を見つめながら俺は涙する。
「お疲れ様です、先輩方。ともに奈落に落ちましょうぞ!がーはっはっは!」