男の痰壺

映画の感想中心です

映画年間概観 2009

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映画2009


2009年の劇場鑑賞映画が112本。6年ぶりに100本を超えてしまった。新たな暗黒時代の到来であろうか。過去の経験則からいって、映画をいっぱい見てる時期というのは、あんまり幸せとは言えないからだ。とは言え、現実逃避にせよ、気分転換にせよ、有効と思わないものに金と時間を割き続けるわけはないので、総じて良い映画が(自分にとってだが)多かったのだろう。特に邦画に関しては10年に1度と言ってよいのではなかろうか。

本年ベスト映画
●邦画「ウルトラミラクルラブストーリー
●洋画「ファニー・ゲームU.S.A.」

例によって、Cinema Scapeでの自己採点上位を列挙すると…。
邦画★★★★★
ウルトラミラクルラブストーリー」「ディア・ドクター」「白夜」「空気人形」「ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ
邦画★★★★
「赤いハンカチ」「男はつらいよ 奮闘篇」「しんぼる」「カムイ外伝」「のんちゃんのり弁」「博奕打ち」「悪夢のエレベーター」「ずべ公番長 夢は夜ひらく」「パンドラの匣」「反逆兒」「無防備」「殺人遊戯」「ゼロの焦点」「マイマイ新子と千年の魔法」「蘇りの血
洋画★★★★★
「Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼」「チェンジリング」「ロシュフォールの恋人たち」「バーン・アフター・リーディング」「ファニー・ゲームU.S.A.」「愛を読むひと」「扉をたたく人」「3時10分、決断のとき」「母なる証明」「スペル」「アドレナリン ハイ・ボルテージ」「ニュームーン トワイライト・サーガ」
洋画★★★★
「WALL・E ウォーリー」「ワールド・オブ・ライズ」「その男ヴァン・ダム」「ウォッチメン」「グラン・トリノ」「アメリカン・ギャングスター」「スラムドッグ$ミリオネア」「チェイサー」「アラトリステ」「それでも恋するバルセロナ」「レスラー」「はりまや橋 The Harimaya Bridge」「人生に乾杯!」「G・I・ジョー」「トワイライト 初恋」「96時間」「キャデラック・レコード 音楽でアメリカを変えた人々の物語」「スター・トレック」「ゴー・ファースト 潜入捜査官」「アンナと過した4日間」「イングロリアス・バスターズ」「天使と悪魔」

と、まあ、どんだけ評価甘いねんという感じだが…。
邦画は、先述したとおり、とんでもない充実度であった。特に「ウルトラ~」と「空気人形」は10年に1本の頻度でしか出ない映画と思われた。70年代ムードの復刻感も俺の琴線に触れたのかも知れない。「ウルトラ」の主演2人は「青春の殺人者」の水谷と原田を、「空気人形」のペ・ドゥナには「色情めす市場」の宮下順子が重なって見えた。どっちも甲乙つけ難かったが、横浜聡子の底を見せきってない巨大感を選ぶ。
洋画は、「母なる証明」のゲル化した人間の奥底の混沌と「バーン・アフター~」の絶対映画に接近するかと思われる無為性。ともに惹かれたが、ハネケのセルフリメイク作(昨年公開作だが)の透徹された「映画」への居住まいが俺には絶対的だった。ただ、オリジナル未見なのが若干躊躇させる点。オリジナルを見ていれば選ぶことはまずなかったろうし、というか見に行くことさえなかったろう。
2009年12月28日 (月)