男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【こあ~この】

続 荒野の用心棒

★★★ 2003年2月4日(火) トビタシネマ ハイキーで空を飛ばした泥濘のゴーストタウンが強烈で、そこを棺桶引きずって歩く主人公の造形が鮮烈だが、どうにもポリシー無さそうなキャラで損してる。メキシコ、南軍両敵方首領のキャラ良く、ラストのタメと決めが調…

恋のエチュード

★★★★ 2003年10月18日(土) 梅田ガーデンシネマ2 煮え切らぬ主人公への共振は感じられるにしても、一方で姉妹の性格付けが甘く映画の終盤まで来てやっと全体構造が氷解するように見えて来る。女を描くのが得意なようでそうじゃないのではと思わせた。撮影が完…

故郷

★★★★ 2007年8月18日(土) 日劇会館 諦観にも見える時代の推移へのメッセージを伝えようとしたのではない。緩い『裸の島』じみた夫婦の無言の居ずまいの作業の連続はやがて新たな生活への不安をも払拭する。『家族』では浮いた疑似リアリズムが板につき渥美…

子供はわかってあげない

★★★★ 2021年9月6日(月) テアトル梅田1 何が良いって萌歌ちゃんの伸び伸びした肢体が心ゆくまで健康に躍動する様が本当に良く、もし俺にこんな年頃の娘がいたとして、このような作品に巡り会えたなら、天を仰ぎ悶絶しながら幸せを噛み締めるだろう。 校舎…

この道は母へとつづく

★★★ 2007年12月1日(土) 梅田ガーデンシネマ2 物語が転がり出すまでが些か長いし転がりだしてからはあっけないとしても本筋に於いて異論は無い。勝手にロードムービーを期待し、ロシアの泥濘道や新芽が息吹く操車場や雨の石畳やなんかが深淵で形而上的な何…

告発のとき

★★★★★ 2008年7月12日(土) TOHOシネマズ梅田4 真摯に語らねばならぬことに対してのハギス演出が、贅肉ゼロのドラマトゥルギーを潔癖なまでの簡潔さで描く。父はやり場のない憤りを噛み殺して逆さ星条旗に思いを託すしかない。ワンサイドな視座から遙か…

ゴジラ VS コング

★★★★ 2021年7月14日(水) 大阪ステーションシティシネマ11 多分こんな感じにバカなんやろなという予想の半歩上をいく開き直りを感じる。そのバカの上乗せを大真面目にテンション保ってやってみせた挙句のこの感覚なんやろと思ったら、少年マンガのテイス…

コッポラの胡蝶の夢

★★★ 2009年2月26日(土) 梅田ガーデンシネマ1 語り口は壊れていないリンチみたいで悪くもないし、もともとコッポラは尖ったショットのアートフィルムが撮れる作家だと思っているのだが、どうにも老人の繰り言めいた話なので退屈なのだ。言語学というのも映…