男の痰壺

映画の感想中心です

おもひでのしずく (2006年11月8日 (水))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。

 

感慨

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こないだの金土日。世間では3連休だったかもしれないが、俺は金土は仕事であった。
金曜日は夜中から仕事して昼間に家に帰って酒を飲んでフローリングの床の上で寝てしまった。
それが拙かったのだろう。昼の3時頃目が覚めてパソコンを眺めていたら目眩がしてきた。煙草が不味く吐き気さえ覚える始末。
熱を計ったら38度であった。
それから、1晩38度近辺の冥界を彷徨い翌朝、土曜日の朝は36度台におちついたのだが、会社に行って昼過ぎから俄にぶり返し4時には早退させてもらった。
土曜の晩から日曜にかけて、再び冥界を彷徨う。
家は狭くガキどもは俺の状態に関係なく騒ぎ立てる。
俺は夢とうつつの狭間で俄に思ったのだ。
「ああ…甘い甘いバニラのアイスクリームが食べたい」…と。
間断なく続く咳のおかげで、喉は炎症を起こし、高熱に冒された体は汗を絞り尽くす。
「冷たくて甘いバニラのアイスクリーム…食べたらさぞかし美味しいだろうなあ…」
しかし、誰もそれを買ってきてくれるわけでもなく、時は過ぎ去っていった。

最早、熱もとっくに退き、咳も僅かに出るばかりとなった今日、俺はコンビニへバニラのカップアイスを買いに行ったのだ。
そこで驚愕する。
見たこともない代物を発見した。
「特盛」
と記されたそれは、異様な輝きを放っていた…ように見えた。
買った。
家にこっそり帰り、密かに隠れてカップを取り出す。蓋を開けた…。
バニラとチョコとストロベリーの3色が整然と3分割された姿があった。
「こ、これは…」
容器を調べる。
「うっ…セ、センタン…」
センタンの昔懐かしい3色アイスを単に巨大化しただけの代物だった。
ああ…チープな味が懐かしい…。
しかし、喰えども喰えどもなくならない。
最後には気持ち悪くなってきた。

俺は思う。こんなことしてる場合じゃないと。
人生80年として、折り返しを過ぎた俺が…。
しかし、日々は瞬く間に流れていく。