★★★★ 2020年7月18日(土) 新世界国際劇場
チャウ・シンチーは「少林サッカー」からしか見てないので、この映画のオリジナル「喜劇王」は未見。本作はシンチー自身によるそのセルフリブートである。
前作は主演もシンチーだったが、今作では女性に変更された。
まあ、「少林サッカー」や「カンフーハッスル」がそうであったように、今作も主人公が徹底的な被虐に晒され、それを終盤で逆転回収するものだ。こういうお話が好きなんやね、シンチーって。
でも、さすがに今回は食傷というか、またやってやんののうんざりが俺を苛む。
前作「人魚姫」の低調から脱していないと思った。
それでも、中盤以降にワン・バオチャンが加虐の主線に出てきてから映画は急速に締まりだす。彼の演じた過去の忘れられたスターが、主人公を叩き落として救い上げるという映画の振幅に、自身も叩きのめされ救い上げられるという中で作用を及ぼす入れ子構造。
双方向のアップダウンが連帯に繋がる。
このあたりで★1加点しました。
お約束のラストの至福感はわかっちゃいるけどの鉄板であるが、ここでもバオチャンがいることが更に感慨を深めるのだ。
怒涛の被虐の嵐が逆転回収されるシンチー食傷パターンだが、後半でバオチアンが加虐の主線に躍り出てから叩き落とし拾い上げるが入子化し加被虐が反転する。それがリアル役者人生を反映するメタ映画の様相を呈するのだ。スタ誕物語の補完として十全。(cinemascape)