男の痰壺

映画の感想中心です

周遊する蒸気船

★★★ 2017年12月16日(土) オラネットスタジオプラス1
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甥っ子が彼女を連れてきたのだが、その甥っ子が警察に捕まってしまう。
そんで、若い女の子と2人っきりの生活。
亡妻の服を着せて2人並んで町を歩く。
ウキウキ…。
 
とまあ、評判の高い映画なんですが、俺は正直、上記の部分にしか興が湧かなかった。
まあ、硬骨漢のフォード作品で、それ以上2人が進展することはないんですけど。
 
ゆったり流れる川があって、そこを行く船があれば、それだけで映画的な興趣は増す。
とか、なんぼでもそういう映画はあげられる。
ところが、けっこうにスクリーンプロセスを多用した本作は、意外とそういう要素は少ない。
 
甥っ子の彼女と嬉し恥ずかしな同船生活は亡妻の服を着せての漫ろ歩きでピークアウトする。それ以上やるとフォードじゃない蟠りを打ち消す男騒ぎもない。川を行く蒸気船のロマンティシズムは実景乖離なスクリーンプロセスで蔑ろ。蝋人形の末路は笑えたが。(cinemascape)