男の痰壺

映画の感想中心です

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ブラス・ターゲット

★★★★ 1981年1月25日(日) 伊丹グリーン劇場 大戦秘話として目新しいものではないが、ハフ演出が一貫してカットを細分化してテンポが抜群に良い。燻銀とも言えるカサベテスを主軸に添え、途中から絡んでくる殺し屋フォン・シドーも又拮抗し得る渋さ。スイス…

ゴーストランドの惨劇

★★★★ 2020年3月14日(土) 新世界国際劇場 パスカル・ロジェ初見なのですが、なんやろか、一体どこがどうスゲーんっすか?って思った反面、全てが合理的に理に落ちる衒いのなさに奇襲戦法じゃない物語を真正面から呈示する覚悟のようなものを感じた。 【ネタ…

おもひでのしずく (2003年2月2日)

※おもいでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 浅田次郎 先週、「壬生義士伝」という映画を見た。実は原作者の浅田次郎のことを俺は秘かに心の師と思ってた時期があったのである。94年か95年頃であったが、丸1年競馬場へ通った時期があり(と…

ザ・マスター

★★★★★ 2013年3月30日(土) TOHOシネマズ梅田4 劇的構成の醍醐味があるわけでもないが、映像の醸す豊穣が半端ではない。撮影と美術が渾然となり提示される情報の質量と、その中で揺蕩う演者の含蓄ある居住まい。ゲスでいかがわしい品性を達観の高度から…

アッシイたちの街

★★ 1981年3月11日(水) SABホール 中小企業を題材に虚々実々の親会社との攻防を描くのであれば、脇を固める山本ファミリーが俄然水を得たであろうに、工員バンド「アッシイ」が高らかに労働讃歌を歌うアナクロぶりが観客の心を絶対零度に凍てつかせてし…

Fukushima 50

★★★ 2020年3月8日(日) MOVIXあまがあき6 見る前に懸念した ①過剰なヒロイズムや扇情性 ②時の総理に対する必要以上の毀誉褒貶 であるが、その点に関して露骨な扇動はなかった。 と思う。 俺は、関西系のテレビで、原作の門田氏が管直人をむちゃくちゃ…

心カテ無情

昨日から入院し、今日カテーテルをし、多分明後日まで退院できない。 1月にした検査で血流に異常があるとのことで、検査も兼ねてやったほうがいいと言われ、ここにいるわけだが、前代未聞の人手不足で、まともに休めない中、俺が4日も休めば人様に皺寄せの…

さらば復讐の狼たちよ

★★★ 2013年4月13日(土) トビタシネマ コメディベースな緩さは良いとしても、一転非情に舵切る瞬間の振り切れが半端でもっさり感がいや増す。「馬車列車」や「女太鼓」とか珍奇への異様な拘泥は好ましく、殺され方に残虐嗜好が垣間見えることも買うが、如何…

羅生門

★★★★★ 1981年1月31日(土) SABホール 脚本の徹頭徹尾なロジカル構成に対し、演出のパンフォーカス多用の人物配置は当意即妙で、パッションとエロスの発露に稀代の才能が2枚揃い、リリカルな瞬時の詩情をカメラは変幻に抽出する。真の天才的職人たちの奇…

ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ

★★★ 2020年2月29日(土) シネリーブル梅田4 まったく予備知識なしで見たので、60分のワンカット長まわしのことも見るまで知らなかった。 また、見た映画館は2D上映だったので、その60分が3Dになってることも知る由もない。 ずいぶん久しぶりに帰郷…

ホーリー・モーターズ

★★★ 2013年4月13日(土) 梅田ガーデンシネマ2 カラックスを愛すべきイジケ野郎だとは思うが、にしても刹那に耽溺し自虐的に過ぎないか?正直ミノーグがビノシュに重なり痛々しく照れ隠しのウータンは白ける。ラヴァンの11変化は唯一「メルド」が破壊的だ…

四季・奈津子

★★ 1981316(月) 梅田コマシルバー 地方での平凡な生活を価値のないものとしテント公演の前衛劇から天啓を受ける。同時代に生きた者としても稚拙感が横溢する導入。列車内での詩人との会話。ゴダールばりの即興は天賦の才が要る。悲しいことに、あらゆるパ…

初恋

★★★★ 2020年2月29日(土) 梅田ブルク7シアター7 低迷とまでは言わないが、もう新たな抽斗は枯渇した感のあった三池であるが、この映画もやっぱ従来の手の内の範囲でやってる感じはする。 のだが、まあ、それでも終盤に折れてしまうようなダメさは回避して…

ラストスタンド

★★★ 2013年4月28日(日) MOVIXあまがさき2 シュワが老残を晒すことなく身の丈キャラ設定を選択したことにホッとするのだが、となればイーストウッドの類似品とも感じられる。周到な計画の割に化物カーでぶっ飛ばす設定。その無茶振りを今いち生かせて…

2ペンスの希望

★★★★ 1981年1月11日(日) 大阪府中小企業文化会館 美人に追い回されるという男の願望充足と不景気下でも一生懸命頑張っていればいずれ道は開けるというイタリアンな楽天主義が程良いテンポで描かれる。働けど働けど楽にならない時代の妬みや拗ねや諦めとは…

ミッドサマー

★★★★ 2020年2月29日(土) TOHOシネマズ梅田3 前作「ヘレディタリー」を見逃しているのでアリ・アスター初見。なんでも、ポン・ジュノが選んだ注目監督20人に入ってるそうな。 【以下ネタバレです】 終わってみると、なんやねんこれしょーもなーって…