男の痰壺

映画の感想中心です

2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

予告犯

★★★★★ 2015年6月21日(日) MOVIXあまがさき3 恵梨香の絶句を機に世界は転倒した。『ショーシャンク』を掠り遥かキャプラまで敷衍したかの如き映画構造が大甘にせよ行き場無き時代を照射するには必要な気がする。格差やネットを巡る描写は浅薄だが追跡劇の…

スネーキーモンキー 蛇拳

★★ 1980年12月23日(火) 新世界座 クンフー映画に於ける格闘としての拳法の対極としての舞踏味を打ち出した新味は斬新であったし、ジャッキーベーシックキャラ確立の試金石なのだから仕方ないとは言え『ヤング・マスター』以前の一連の作は面白いがとにかく安…

早春

★★★★ 2018年2月25日(日) シネリーブル梅田2 同級生の女の子ではないし、もちろん年増おばさんでもない。 年上のお姉さん。 このピンポイントの異性に憧れる童貞の性欲。 ってのはわかるし、多分にそれは自己完結した観念世界で成立しているのだ。 である…

ピッチ・パーフェクト

★★★ 2015年6月9日(火) TOHOシネマズ梅田5 主役の女の子がオタッキーで一歩退いたスタンスなのが如何にも今風であるのは良しとしても決定的転機もなく前向き転換して物語は定番通りに進んでいくのはどうなのよ。四の五の言わずラスト30分の高揚感と至福…

同胞

★★★★ 1980年12月15日(月) 伊丹ローズ劇場 中央にオルグられて地方が問題意識を持つという民青的ムードと力を合わせればことは成るという今更の題材に退く部分があるが、つまらん題材だからこそ逆説的に徹底した農村の細密描写のリアリティで保たせる或る意味…

blank13

★★★★ 2018年2月25日(日) 大阪ステーションシティシネマ11 映画館でこの映画の予告篇を何度か見ていて、フィルム撮影と思しき画面から並々ならぬ拘りを感じていた。 役者・斎藤工にさほど関心を持ってはいなかった。 が、演出者・齊藤工には今後、注目し…

マッドマックス 怒りのデス・ロード

★★★ 2015年6月20日(土) 梅田ブルク7シアター6 濡れた仔犬のようなハーディは孤高というより優柔不断な場当たりに見え「マッド」度はてんで低い。『サンダードーム』の拡張的ジョー王国は既視感拭えず、規格更新されたチェイスは馬鹿騒ぎ的な過剰さで修飾…

路傍の石

★★★★ 1979年2月4日(日) SABホール 自我の萌芽を辿る明晰な物語性が気持ち良いのは原作によるものとしても、ミクロ的視点に陥りがちな常套的少年成長物語とは一線を隔てた感があるのは、時代を包括的に捉えるマクロ的視点の介在だと思う。実に精緻に丁寧に…

RAW 少女のめざめ

★★★★ 2018年2月9日(金) 大阪ステーションシティシネマ12 ズッテーン…なんじゃそりゃってなラストであったが語り口は好みであった。 初期のギャスパー・ノエみたいなテイストでもあるし、一方で女性監督らしいガーリーな曝け出し感もある。 校舎の屋上で…

海街 diary

★★★★★ 2015年6月24日(水) TOHOシネマズ梅田9 姉妹間だけではなく他者との関係性の変容を「空気」だけに最大限の演出を注ぎ込んで緩やかに慈しむかのように描いた工芸品。3度の葬儀と法事が編年のメリハリを付与する構成が高度に小説的だ。想定外の4人の…

素晴らしき放浪者

★★ 1979年3月11日(日) SABホール 片っ端から世の不文律を破壊し勝手気儘に物事を成せばアナーキーだとでも言うのだろうか。この親爺の生き様には全く快感も共感も得られなかった。どれだけルノワール的な川と光で全篇が彩られていようともだ…。 (cinemasc…

マンハント

★★ 2018年2月23日(金) 大阪ステーションシティシネマ11 大体にジョン・ウーの映画ってのは恥ずかしいものなのである。 だって、グラサンかけて咥えタバコってだけでも恥ずかしい。 なのに、スローモーションでコートはためかせて見栄を切る…なんて尋常な…

大杉漣

大杉漣が、いきなり亡くなった。心不全ってのは、なんかよくわからん死因のとき、汎用的に使われる。たまたま、俺も入院中で、毎日、夕方の再放送の「科捜研の女」と「チーム・バチスタ」を見てて、どっちかで、そんなことを言っていた。何でも、最初は腹痛…

心筋梗塞

土曜の早朝に発症し入院。本日、やっとICUを出て一般病棟に移りました。てことで、半月くらい映画は見れません。

脳内ポイズンベリー

★★★ 2015年6月24日(水) TOHOシネマズ梅田3 小学生レベルの脳内会議を映画未満な演出で見せられる戴けなさを感じつつも、ヤケに毛糸帽子に執着する真木が微妙なリアリティを醸す。彼女が最後にたどり着く真理は成る程言えてるかもだ。西島のラ王M演技と吉…

狂い咲きサンダーロード

★★★ 1980年12月23日(火) 新世界座 山田辰夫の尖った声でアナーキズムをぶち上げられるとヤケにリアリティがあったし、終盤はどうにでもなったれというヤケのヤンパチ気分も横溢するが、本線は結局、既存の不良少年ものをなぞったようなところがいまいちアナ…

バッド・ウェイヴ

★★ 2018年2月4日(日) 新世界国際劇場 ブルース・ウィリスやニコラス・ケイジとかの、ここ数年の映画を観てる奴なんてどんだけいるのだろう。 フィルモグラフィでざっとみても、まったく知らんのばかり。 そのくせやたら多い。 この映画、大阪では新世界国…

極道大戦争

★★ 2015年6月24日(水) TOHOシネマズ梅田6 チャラい設定を料理するには解体再構築するしかないのは解るのだが、意味不明の河童登場で若干広がった世界はしかし一向拡散せず寧ろ狭い商店会へ更なる収縮を続けイライラする。カエルの無茶ブリも最早ウンザリ…

ダーティ・メリー クレージー・ラリー

★★★ 1975年3月23日(日) 伊丹グリーン劇場 メッセージもクソも無く只ひたすらにチェイスの趣向に徹したのが潔いというか知能指数低い感じでサバけてる。そうは言ってもラストは同時代の『イージー・ライダー』風味『バニシング・ポイント』流趣があり妙に味わ…

女神の見えざる手

★★★ 2018年2月4日(日) 新世界国際劇場 ロビイストなる言葉を初めて聞いたのは東京オリンピックの招致のときだったと思う。 その後、中国や韓国がアメリカで反日議案を通すときにも聞いた。 要は票取り屋なのであるが、今の時代、どのような手練手管で潮流…

アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン

★★★ 2015年7月5日(日) MOVIXあまがさき6 利己主義集団が共闘関係を確立するまでに軋轢のドラマがあった前作に対し、攻防軸が一方向になったうえ陳腐な「愛」への言及が安く甘い。2名の新規加入は結局既存キャラを押しのけ拡散希釈させただけ。敵ウルトロ…

オーケストラ・リハーサル

★★★ 1980年12月27日(土) 三越劇場 映像ハッタリ翁フェリーニも目眩く虚仮威しを封印されたワンセット劇でなんとなく冴えない。そもそも描かれるべきエモーションは映画には存在せず場当たりな帰結で誤魔化すのであれば破壊のカタルシスは生じようがない。ポ…

スリー・ビルボード

★★★★★ 2018年2月2日(金) TOHOシネマズ梅田9 【ネタバレです】 監督のマーティン・マクドナーは本作の脚本を書くとき、フランシス・マクドーマンドとサム・ロックウェルに関しては当て書きしたそうだ。 しかし、この映画のキモはやっぱりウディ・ハレ…