男の痰壺

映画の感想中心です

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ラストエンペラー

★★★★ 1991年9月1日(日) ホクテンザ2 ベルトルッチが全てを手中に入れた上で構築したとは思えない。妖怪支配の退廃異世界が投げ込まれた幼児に形成を及ぼす過程には納得するが、後半の重層的史観には自己範疇のエッセンスしか窺えず薄っぺらい。論外の坂本は…

キサラギ

★★★★ 2007年12月13日(木) 梅田ブルク7シアター4 急転直下に推理劇の色彩を帯びるオフ会。観る者をギリギリにかわし続け屋上屋を重ねる脚本が男どもの群像の向こうに「如月」を垣間見せ始める辺り、今一緩い演出を帳消す訴求力。しかも、憎いことに再度男…

不倫への招待

★ 1991年8月25日(日) 日劇シネマ エマニエル夫人ならぬエマ夫人のパリでのアバンチュールもとい淫乱行なのだが、そこに何らかの哲学性があろうはずもなく、そのくせ阿呆で可愛げもないので只管にしんねりむっつりしていて見るのが苦役。こんなもんでも需要が…

フランク・キャプラ Frank Capra

生年: 1897/05/18没年: 1991/09/03 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

フョードル・ボンダルチュク Fyodor Bondarchuk

生年:1967/05/09 kenironkun.hatenablog.com

その日、カレーライスができるまで

★★★★ 2021年9月5日(日) シネリーブル梅田2 まあ題名のとおりカレーを作るわけだが、そこまでモノマニアックではない。食材や香辛料に凝ることもなく市販のルーを放り込むごく一般の作り方であろうと思われる。 冒頭、雨の中、主人公が食材を買って安アパ…

アポカリプト

★★★★★ 2008年1月14日(月) トビタシネマ ギブソンが偏執的なのは知っていたが、ミクロに凝結せずに良い意味で拡散し、中盤はコッポラのベトナムの帝国を越えてフェリーニの古代ローマに迫るかとさえ思われた。どうなるのかの終盤も意外な単線構造が凛々しく…

ターミネーター2

★★★★★ 1991年9月4日(水) 北野劇場 趣向満載で突出するシークェンスの連鎖がチェイスに徹しためくるめく場の移動の中で融和し熟成される。馬代わりのバイクで走りながらドでかいショットガンを片手で回転させて撃鉄を起こす。ジョン・ウェインの様に。アメリ…

オーシャンズ13

★★★ 2008年1月5日(土) 新世界国際劇場 「俺達ナイスバッドガイだぜ!」オーラがフルスロットルで結構なのだがその理に薄味でおっついてない。冒頭のブラピ登壇の空港のポップな仰角ショットにこそ期待したが結局あとは平板に終始。情に流されてんじゃない…

ロバート・ワイズ Robert Wise

生年: 1914/09/10没年: 2005/09/14 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

マルタン・プロヴォ Martin Provost

生年:1957/05/13 kenironkun.hatenablog.com

白頭山大噴火

★★★ 2021年9月5日(日) 大阪ステーションシティシネマ2 火山か噴火するだけの映画だったら見る気もなかったんですが、加えて北の核弾頭を奪取するというポリティカルな要因が加味されるってんで食指が動きました。 韓国という国にとって、というより朝鮮民…

神経衰弱ぎりぎりの女たち

★★★ 1991年9月7日(土) 毎日文化ホール 地中海的彩色と地中海的骨格が氾濫したアメリカンソープオペラなシチュエーションコメディ。神経衰弱という日本語感とは余りにかけ離れた逞しい女達により演じられる喧噪は彼女達が思う程の切実味を訴求しないので全く…

プラネット・テラー in グラインドハウス

★★★★ 2008年1月5日(土) トビタシネマ 腐った牛乳がやがてヨーグルトになる様に不快な下司も半端を通り越して一周すると爽快になる。人体が砕けて飛び散る様を繰り返し見せられオモロイなあ。賢い人がアホなフリしてるとしても。『デス・プルーフ』とは本当…

日本暴力列島 京阪神殺しの軍団

★★ 1991年8月25日(日) 日劇会館 『仁義なき戦い』シリーズで最強のオーラを発していた武田(小林旭)と岩井(梅宮辰夫)が、ここでは何故か中年の「渡り鳥」と「不良番長」に見えてしまう。実録ものに於ける在日朝鮮人への切り込みも2人のデブが走り回るだ…

クリストファー・マッカリー Christopher McQuarrie

生年: 1968/10/25 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

中江和仁 Kazuhito Nakae

生年:1981// kenironkun.hatenablog.com

愛の予感

★★★★ 2008年1月5日(土) シネヌーヴォ シネマヴェリテ的手法に於いてカサヴェテスの豊穣に、反復のエクリチュールに於いてカウリスマキの巧緻には及ばない。がともかく、愛の萌芽に向けての全篇を牽引するサスペンスフルな緊張は傑出している。あとロケ選定…

姐御

★★ 1991年8月25日(日) 日劇会館 女侠映画のパターンを忠実に現代に置き換えただけのもので健さん・鶴田のポジションにたけしってのが新鮮で気が利いてるとは思うがそれだけだ。肝心の黒木がどうにも柄じゃなく肚の据わりに欠けるし鷹森演出には映画エキスの…

スネーク・フライト

★★ 2008年1月14日(月) トビタシネマ 密室に蛇と閉じこめられるということだけで完結し切っている点で清々しいまでに一本気な程度の低さと言いたいところだが、矢張り一本気すぎで芸もくそもない。笑いもお色気も今一の弾け度合いの中、終盤のヤケッパチが…

ベルナルド・ベルトルッチ Bernardo Bertolucci

生年: 1940/03/16没年: 2018/11/26 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.…

イ・ジェハン Jae-han Lee

生年月日: 1971// kenironkun.hatenablog.com

ドライブ・マイ・カー

★★★★ 2021年8月29日(日) 大阪ステーションシティシネマ9 カンヌの脚本賞だそうだが、おそらくそれは濱口・大江の脚色力というより村上春樹のストーリーテラーとしての力量に負うところが大きいのではないか。って原作読んでませんけど。 【以下ネタバレで…

何がなんでも首ったけ

★★★ 1991年10月12日(土) キリンプラザ大阪 素材として甘んじる時代の終焉は皮肉にも銀幕上の彼女の魅力を減失させる。他愛ないことこその映画に何かを付与しようと足掻き混迷に陥った凡作。演技派に転向しようかという過渡期に自らのプロデュースで我が儘放…

やわらかい手

★★★★ 2008年1月19日(土) 梅田ガーデンシネマ2 孫の為という日常思考から出発し、やがては安寧な飼い慣らされた日常から飛翔する婆さん。些か嘘っぽい話に真実味を付与するキャスティング。フェイスフルも絶対条件だったろうがマイノロヴィッチこそ俺の理…

オスカー

★★★ 1991年9月15日(日) 新世界国際劇場 クリエイティブたることを放棄し回顧趣味職人と化したランディス掌中の緩いながら古き良きコメディの世界がスタローンで泥臭く鈍重になった。それが残念でもあるが又、好きなところでもある。このような失敗を繰り返せ…

ロベール・ブレッソン Robert Bresson

生年: 1901/09/25没年: 1999/12/18 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

アラン・テイラー Alan Taylor

生年:1959/01/13 kenironkun.hatenablog.com

おこんじょうるり

★★★ 2021年8月15日(日) シネヌーヴォX まっことおこんばあちゃんのためにいっしょうけんめいでかわいいのー。 とまあ、そんな程度の感想しか思い浮かびません。 かわいいといえばかわいいが、そうでもないともいえる人形が、画面占有率5割くらいでどっか…

サラエボの花

★★★ 2008年1月19日(土) シネリーブル梅田2 疲弊を刻んだ母エスマの表情が多くを語るにせよ、やはり母娘の内面史に迫るには安易であってもトラウマの源泉を見せる必要があったんじゃなかろうか。いずれにせよ、男運無さそうな母を背に娘サラはやがて頚木か…