男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【ら】

ラム・ダイアリー

★★★★ 2014年3月15日(土) トビタシネマ 泥酔いも壊れるまではいかぬ匙加減が中米のダラーンとした風土と相まり半端で良い。高等遊民の田舎日記の朦朧とした無為な日々も後から思えば意味を為す的刹那な叙情。無駄が廃された性急な時代に復古されたコークの…

ラヴレース

★★★★ 2014年5月24日(土) 新世界国際劇場 煽情的要素は幾らでも盛り込めるのに、リンダの生き方に敢えて解を求めぬ作り手のニュートラルさが良い。彼女には、被虐感は無いし後悔とも無縁なのだ。アマンダは真摯に演じており正直初めて良いと思った。共演者…

ランニング

★★★ 980年10月26日(日) 伊丹グリーン劇場 『ロッキー』後付企画丸出しなのだが、うだつのあがらぬ人生を丁寧に淡々と描いた前半に限れば結構良い味わい。しかし、ローバジェッドなのにオリンピックという大風呂敷を広げた後半は一気に嘘臭くなり話も予定調和…

ラブレス

★★★★★ 2018年4月7日(土) 梅田ブルク7シアター7 子供が失踪するというモチーフ。 桐野夏生の小説「柔らかい頬」や韓国映画「シークレット・サンシャイン」を想起する。 しかし、それらのように形而上的な世界観に突入するわけではない。 あくまで、リアリ…

ラブ&ピース

★★★ 2015年7月10日(金) TOHOシネマズ梅田6 どうにも手垢ついた骨子では仕方なく寄木のように捨てた者・物への想いを配してみたが上手くない。一途に謳いあげることへの照れは被虐志向で粉飾。一生懸命歌い上げた自身の作詞作曲が「スローバラード」1曲で…

ラン・オールナイト

★★★ 2015年8月16日(日) 新世界国際 シーン繋ぎのシャープネスなど所々惹かれるが、練れてるとも思えぬ脚本に無理くり感がある。全員敵という程の矢継ぎ早設定でもなく一晩凌げばの確証も無くエドは言うほど怖くも強くもない。大体リーアムの酔いどれダメ設…

ラ・ジュテ

★★★ 2017年9月18日(月) プラネットスタジオプラス1 第3次世界大戦後の核汚染された世界を描いているが、よくあるキノコ雲は一切出ない。 若干瓦礫化した街並みが出るが、それより戦慄的なのが平時のパリのオルリー空港。 何か不穏な空気が充満しているよ…

ラブ・ストリームス

★★★★ 2015年11月21日(土) シネヌーヴォ 2人を交互に描く前段が圧倒的で崩壊きわきわの心理状態を冷視する客観描写が底冷えしそうだ。しかし、どんな壊滅のカタルシスが待ってるのかと思ったら両者が合流し何だか生温い曖昧感情が付け入ってくる。それでも…

ラスト・ナイツ

★★★★ 2015年11月24日(火) TOHOシネマズ梅田6 方便としての「忠臣蔵」ではなく本当にこの物語を語りたかったのだと思う。凡庸な殺陣や安いCGなど万全でもないがベタを恐れぬ強度が誠実の証。オーウェンのカイザー・ソゼ歩きに「いよっ!」っと大向こうか…

ララミーから来た男

★★★ 2016年3月26日(土)プラネットスタジオプラス1 原『大いなる西部』とも言えるクリスプとケネディの関係性の通り一遍ではない悲劇味が全てで、その緻密な積年性の前ではスチュワートの復讐譚はエモーション希薄だ。言うたら歪な劇構成であり、そういう…

LOVE 3D

★★★ 2016年4月23日(土) シネリーブル梅田3 さすがに同じコンセプトで3度目となると、そのウジウジと粘着ぎみに引きずる性分が大概にすればと思えてしまう。いいかげんループする世界から脱却してほしい。2D鑑賞だったがSEXのスペクタクル化はほぼ無…

ラスト・ショー

★★★★ 1976年5月16日(日) SABホール 1991年10月31日(木) テアトル梅田2 黄昏の田舎町でゆっくりと死んでいく人々。ベトナムは遠く少年達は少年らしく今を受容するだけ。アカデミーのジョンソンとリーチマンも良いが若干の生気を発するエレン・バーステイ…