男の痰壺

映画の感想中心です

ソワレ

★★★ 2020年8月29日(土) テアトル梅田1

f:id:kenironkun:20200830080724j:plain

何の為に撮った映画なのかってことです。

主人公がオレオレ詐欺の受け子をしてる場面から始まり、ヒロインは父親からの性的虐待を受けて育って今は介護職に従事。

これらのトピックが今の世の中で目を向けねばならない諸問題なのは全く異論はないが、この映画はそれらを点景として描くだけだ。

で、挙句の逃避行であるが、追う刑事がいみじくも言う通り、子供の鬼ごっこでしかないのだ。

初めてスナックで働いて給料もらって嬉しい。

パチンコで負けて台に当たって店員と喧嘩。

もっと自分たちが追い詰められた社会システムに対しての対峙に自覚的であってほしいと思うのだ。

救われない状況に対して流されて自壊する。

ただそれだけの映画になってしまっている。

画力はあるんだけど。

 

この企画に入れ込んでキョンキョンが裏方に徹して頑張ったらしい。

救われんなあと思う。

 

詐欺の受け子や介護士という振りが本筋に寄与しないのが覚悟の程を露呈させる。男女の背負う心の重しも差がありすぎで、埋め合わせるのは一緒に堕ちていく共振しかない筈だが、そこまでの何某が感じとれない。これでは余りに女が不憫だ。芋生は良かった。(cinemascape)

 

kenironkun.hatenablog.com