男の痰壺

映画の感想中心です

おもひでのしずく (2010年1月19日 (火))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。

 

ずるむけ天国 ~徒然なるままに~

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昨日、昼ごろ靴を買った。
飯を食って地下街をぶらぶらしてたら、新しそうな靴屋で「¥ 1,050~」という表示があったのだ。
健康サンダルではなく革靴である。
全身バッタもんまみれの俺だが、さすがに革靴が1,000円ってのにはビビった。
店内を物色し、2,000円の革靴を買う。
履いてた、ほとんどスルメ状態に軟体化した靴を棄ててくれと店員に押し付け、2,000円の靴を履いて店を出た。
若干、きついが、履いてるうちに伸びるやろ…と思いつつ10数分。
「い…痛っ!」
更に数分しんぼうして歩く。
「げ…激痛っ!」
ほうほうの体で公衆トイレに駆け込み洋式便座に座ると、おそるおそる右足の靴を脱いだ。
踵の後が幅3㎝の楕円形状にべろんと皮めくれていた。
凄まじい絶望感に襲われた。
激痛に耐え靴を履きなおしトイレを出て地下街に復帰するも、1歩ごとに激痛が来る。我慢して歩くうちに冷や汗で顔がぐちゃぐちゃになる。
更にあろうことか左足にも同じ症状が…。
仕事に前向きに取り組む意欲が失せ、映画館でサボった。

今度は愛妻家」を見る。
号泣しそうになったが我慢した。
夜、家で感想をシネスケに書こうと思ったとたん、P氏のコメントがアップされた。何たる偶然。
俺は、感想を書き込む前には人のコメントは読まないのに、「号泣した」という文章が目に飛び込んできた。
「先…書かれてもうた!」
やむなく、「女房大事にせなあかん思た」と書きこむ。そこに付け足したり削ったり文章いじくってるうちに「女房大事に」は無くなってしまった。

今朝、電車の中で、西加奈子の「通天閣」を読み終わった。
これは、とんでもない傑作だった。
良い映画みれて、良い本読んで、どっちも地の底這ってるみたいな人々が、ささやかな光量にせよ希望の光を見出す話です。
これで俺も少しは前向きになれかもしれない。
ありがとう…2,000円の靴とずるむけた足の痛みよ。