男の痰壺

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キングスマン ファースト・エージェント

★★★★ 2022年1月13日(木) 梅田ブルク7シアター5

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世代の交代を明晰に打ち出した1作目であったが、2作目ではその設定が自縄自縛となり泥縄展開と成り果てた。

その反省からか、前日譚である本作では初心に帰っての節があるが、おんなじことやってもしゃーないとのことなんでしょう。展開は想定外だった。

 

【以下ネタバレです】

父と息子の話で、当然に継承という展開が予想されるのだが、後半に差しかかるところで息子は死んでしまう。それも、物語の敵役に殺られるのではなく戦争に行って無駄死に。継承は早々に適わなくなる。

つまりこれは、全てを失った男が悲嘆の果ての自暴自棄から立ち直る話なのでしたとさ。それも又よくある展開なんだが、かまされたフェイントが効いてなんだか知らん間にもっていかれます。巧いのか結果オーライなのかまかりませんが。

 

マシュー・ヴォーンのアクション演出は時にケレン過剰が周回しておふざけになりがちで、それも又持ち味なのだが、今回は良い塩梅に抑制が効いてます。なんつっても敵のアジトがリフトでしか行けない断崖絶壁の上ってのが活動大写真的でナイスだぜ。

 

継承の展開を予測させつつも結局は親爺が自己回復して目出度しという掟破りなまでの開き直りにマシュー・ヴォーンの意地を感じる。アクション演出もケレンの大盤振る舞いが抑制され程良いし、断崖絶壁上の敵アジトってのが往年の活動大写真的てよろしい。(coinemascape)

 

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