男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【ろ】

ローマの休日

★★★★ 1980年8月1日(金) 毎日文化ホール 不可触人だが超可愛く、幼気な処女でオキャンで明るい。全オヤジが夢見る女の子との出会いの理想郷。漲るエロ願望は1度のキスで無理に充足させ、分別ある保護者的立場に身を窶す。ラストペックの万感の屈託と充足のオ…

ロッキー

★★★ 1977年12月18日(日) 伊丹グリーン劇場 猫背でボソボソ話し亀を飼い組織末端の仕事で日々を凌ぎ冴えない彼女で慎ましやかな充足を得る。リアリズムな前半はアメリカンドリームの実現へ転調するのだが、それには後半の背景の厚みが不足。世界は数分間のテ…

6才のボクが、大人になるまで

★★★★ 2015年2月7日(土) 大阪ステーションシティシネマ8 6歳の頃に永遠に拡がってた未来は僅か10数年で視界90度位に狭まってしまうという現実と真実を年月を費やし詳らかにした労作だが、だからどやねんとも思える。アークェットの疲弊の年輪を重ねゆ…

路傍の石

★★★★ 1979年2月4日(日) SABホール 自我の萌芽を辿る明晰な物語性が気持ち良いのは原作によるものとしても、ミクロ的視点に陥りがちな常套的少年成長物語とは一線を隔てた感があるのは、時代を包括的に捉えるマクロ的視点の介在だと思う。実に精緻に丁寧に…

RAW 少女のめざめ

★★★★ 2018年2月9日(金) 大阪ステーションシティシネマ12 ズッテーン…なんじゃそりゃってなラストであったが語り口は好みであった。 初期のギャスパー・ノエみたいなテイストでもあるし、一方で女性監督らしいガーリーな曝け出し感もある。 校舎の屋上で…

ロジャー・ムーア 冒険野郎

★★ 1979年4月29日(日) ダイニチ伊丹 あくまで悪者はドイツで象牙の密猟してても米英サイドなら良しとされるらしい。黒塗りの黒人扮装を含めて地雷コード踏みまくりだがそういう時代だった。C調なムーアと飄然としたマービンのコンビがそれなりに苛烈で過酷…

ローマに散る

★★★★ 1979年4月22日(日) 大毎地下劇場 『Z』をクタールの映画だと言うのと等質に、これはサンティスの映画だと言ってもいい。それ位の撮影の濃度がある。元最高裁長官宅での軍警察の介入目撃は、蛙の穴を掘ってたらデカい蛇が出たとも言うべきエキサイティ…

ロマンス

★★★★ 2015年9月5日(土) シネリーブル梅田2 自分探しとかではなく失われたと思い込んでた過去を見つける旅路である点に於いて『四十九日』と通底すると言うかこれしかないんかとさえ思わせたが、臨界線上の男を描く腰の座りが優子の「ま、いいか」的開き直…

ローガン・ラッキー

★★★★ 2017年11月18日 大阪ステーションシティシネマ9 チャニング・テイタムにせよアダム・ドライヴァーにせよ、リアクション乏しくウドの大木みたく巨体で突っ立てる。 これが、ローガン兄弟。 一方、ダニエル・クレイグとその弟2人は過剰リアクションでピ…

ローリング

★★★★★ 2015年10月12日(月) 第七藝術劇場 内向きに閉塞した地方都市で若者たちは腐っていく。その捩れた狂気を盗撮や転生や電気ドリルやソーラーパネルetc…といったギミック弄して描くあたり正しく「シンセミア」的であるし3人称語りも寓話的だ。停滞を…

牢獄

★★★ 2017年10月7日(土) プラネットスタジオプラス1 3重のマトリョーシカ構造で尚且つ2層目と3層目がシンクロするので予備知識なしではわかりにくい。 ただ、ペシミスティック&サディスティックなのは徹底しているし、ベルイマンが映画の語り口におい…

フェリーニのローマ

★★★★ 1978年4月2日(日) SABホール 自家籠中の猥雑と郷愁のカオスとして呈される古代から現代に至るローマに纏わる エトセトラ。闊達だが食傷も感ずる中、「地下工事の掘削機」・「高速道の渋滞」・「古都 遺跡の照明」など偏愛的な無機物質愛には惹かれる…

ローサは密告された

★★★★★ 217年8月22日(火) テアトル梅田2 物凄いカオスだ。 こんなんじゃ、ドゥテルテが麻薬関係者を片っ端から何千人殺そうが本質は改善しないだろう。 それを産み出す土壌を改良しないと上物だけ取り繕っても無駄なのだから。 それでも、人は生きるしかな…

LOGAN ローガン

★★★ 2017年6月4日(日) MOVIXあまがさき9 よいよいになったウルヴァリンと要介護老人化したプロフェッサーX。 設定だけみればパロディすれすれだが、一方でものすごく魅力的だ。 見たいと思わせる。 篇中、随所でウルヴァリンはプロフェッサーを抱き…

64 ロクヨン 後篇

★★★ 2016年6月26日(日) MOVIXあまがさき11 「刑事はそんなことも解んねえのか」との浩市の嗚咽は友和他の頭上を上滑る。映画はそこに収斂するようには仕組まれてない。『砂の器』的な情への浸り方が出来ぬのならいっそ言わせぬ方がいい。機構側の男達の多…