男の痰壺

映画の感想中心です

映画 2020

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2020年がどういう年だったかというと100人が100人コロナで大変だった年として総括するだろう。行動が抑制され消費が収縮し打つ手のない為政者は迷走する。短期的にはそういうことなのだろうが、100年後の歴史学者は、これをどう位置付けるんだろう。年の瀬を迎え、思索にふける俺なのであった。

えっ、どう位置付けることになるのかって?そんなこと、恐ろしくて言えません。

 

そんな年、緊急事態宣言下で映画館の閉鎖が1ヶ月強あったにもかかわらず127本見ている。

以下、例年どおりにcinemascapeでの採点をもとに印象に残った映画を新旧ない混ぜで記する。

 

日本映画★★★★★

ラストレター

風の電話

夜は短し歩けよ乙女

Red

僕の好きな女の子

血槍富士

のぼる小寺さん

鬼ガール!!

朝が来る

佐々木、イン、マイマイ

泣く子はいねぇが

ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:破

 

日本映画★★★★

カツベン! ロマンスドール 37セカンズ AI崩壊 初恋 一度死んでみた 音楽 男はつらいよフーテンの寅 一度も撃ってません 千姫と秀頼 もち 弱虫ペダル 怪猫トルコ風呂 男はつらいよ寅次郎春の夢 宇宙でいちばんあかるい屋根 男はつらいよ旅と女と寅次郎 星の子 空に住む さくら 脳天パラダイス ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

 

外国映画★★★★★

大列車作戦

キャッツ

ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密

1917 命をかけた伝令

Mommy マミー

ストーリー・オブ・マイ・ライフ わたしの若草物語

レイニーデイ・イン・ニューヨーク

ポルトガル、夏の終わり

フェアウェル

少女ムシェット

 

外国映画★★★★

幸福の設計 ある女優の不在 フォードVSフェラーリ リチャード・ジュエル ラブINニューヨーク ミッドサマー ラストムービー テッド・バンティ ゴーストランドの惨劇 紅塵 5時から7時までのクレオ レ・ミゼラブル コロンバス たかが世界の終わり デッド・ドント・ダイ 恐竜が教えてくれたこと その手に触れるまで 科学者の道 ワイルド・ローズ 新喜劇王 ロング・ショット彼と彼女のありえない恋 悪魔の金 ブラックアンドブルー ライド・ライク・ア・ガール ディック・ロングはなぜ死んだのか? ブックスマート卒業前夜のパーティーデビュー mid90sミッドナインティー マロナの幻想的な物語 ブリング・ミー・ホーム尋ね人 鵞鳥湖の夜 真夏の夜のジャズ ストレイ・ドッグ 三人の妻への手紙 白昼の決闘 ザ・ハント ホモ・サピエンスの涙 THE CROSSING香港と大陸をまたぐ少女 Mankマンク リバティ・バランスを射った男 バクラウ地図から消された村 燃ゆる女の肖像

 

緊急事態宣言の余波で多くの新作が公開延期かお蔵入りになってしまった。かける映画に窮したシネコンが苦肉の策で旧作をスクリーンに乗っけてくれたことは俺のような劇場主義者にはありがたいことだった。未見だった「男はつらいよ」3作や食わず嫌いだった「エヴァンゲリオン」新劇場版3作を見れたが、言っちゃなんだがコロナがなけりゃ一生見ることなかっただろう。

 

日本映画新作では、9作品に★5評価をつけたが、正直、重量感に欠けるラインナップで、年後半まで「Red」を暫定ベストにしていたのだが、「佐々木、イン、マイマイン」に出会えて少なからずホッとした。やはり「Red」が今年のベストという俺は俺じゃないという思いがあったのだろう。

 所謂ご当地映画のなかに力作が現れ始めたのも目立った年だった。「鬼ガール!!」「もち」「泣く子はいねぇが」などがそれで、得てしてタイアップする自治体との政治的思惑が関与して、この手の映画はロクなもんにならなかったはずなのだが、時代が変わったのか、作り手か強かになったのか、どっちか知らんが映画制作の基盤が広がり始めたことは希望である。

 

外国映画も決め手に欠くラインナップだ。7本の新作は旧作の「大列車作戦」や「少女ムシェット」と並べられると平伏すしかない。それでも何か1作と思ったとき、いっそ不幸な副題をつけられた「ナイブズ・アウト」をとも思ったが、不幸副題に加えて世評芳しからぬ「1917」をダブル受難の判官贔屓で首位に置こうと思う。ワンカット縛りの破綻をしてダメだとする大方の意見には俺は全く与しないのであります。そんなことによってシーン毎に組み立てられた圧倒の美術造形が看過されるとすれば不幸なことだ。

 それにしても、配給会社はもうちょっと観客を信用したらどうなんでしょうか。今年の洋画邦題の酷さは目に余った。「名探偵と刃の館の秘密」「命をかけた伝令」「わたしの若草物語」「卒業前のパーティーデビュー」「香港と大陸をまたぐ少女」って要る?っていうかいっそこっちをメインタイトルにしたらええやん。

 

ここ数年、プラネットスタジオで旧作を見ることも定例化してきたのだが、何処ぞやで形成された映画史上の文脈とは違う宝玉が膨大な過去遺産の中には山ほど埋もれていることを改めて思い知るのだ。一昨年、昨年とアンソニー・マン、ロバート・マリガンを再発見したが、今年はウィリアム・ディターレだった。

 

てなことで今年のベストは

「佐々木、イン、マイマイン」

「1917 命をかけた伝令