男の痰壺

映画の感想中心です

映画 2015

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年頭にマンションの階段を踏み外し落下した時に脚を痛めた。その時は数分間、立ち上がることもかなわず折れたと確信したのだが、結局折れてなくて、おっかなびくり立ち上がり激痛をこらえて歩き出し、その日の終わりには何とか歩くことも人並みには出来るようになった。筋とか靭帯とかそういうのを痛めたと思われ、1週間もすれば元通りになるやろと思っていたのだが、結局1年後の今でも痛いのだ。胡坐は今もまともに組めない。
若いつもりでいるのだが、回復力は明らかに細胞の老化にともない劣化してる。
 
考えてみれば、日本という国も同じで、細胞劣化が著しい。
古びた細胞が早期に廃棄されずにはびこり、若い細胞の生育を阻み、新陳代謝が行われず血液は澱んでいる。行き詰まり感が横溢し、腐った組織の末端では親殺し子殺しの形で病巣が顕現している。
解決策は皆知ってるのだが、恐ろしくって誰も言い出せない。
医療制度は人命の延伸を命題としてきたわけだが、そろそろ進むべき方向を考え直すべきだろう。とりあえず褥瘡で穴凹だらけの体をベッドに横たえて無理くりに生きさせられている体に差し込まれたチューブを抜くことから始めるべきなのだ。
 
何だか先行き長くもねえなと思える年であった。
 
映画も終わりつつあるようだ。
昨日、「スター・ウォーズ」と「ロッキー」の新作を映画館で見た。先日見た「007」も含めて、これじゃあまるっきり俺の高校生時代のラインナップやんか。やることないんやな、と言うより映画が使命を終えようとしているかのよう。
 
そうは言っても映画館で144本見ている。
CinemaScapeでの採点上位を新旧ないまぜで記すると
 
日本映画 ★★★★★
寄生獣」「ソロモンの偽証 後篇・裁判」「驟雨」「新宿スワン」「予告犯」「海街diary」「この国の空」「紙屋悦子の青春」「ピース オブ ケイク」「ローリング」
日本映画 ★★★★
「喜劇 女は男のふるさとヨ」「百円の恋」「アゲイン」「味園ユニバース」「ニッポン無責任時代」「ソロモンの偽証 前篇・事件」「竜二」「あん」「きみはいい子」「美しい夏キリシマ」「TOMORROW 明日」「野火」「ロマンス」「天空の蜂」「非行少女」「ギャラクシー街道」「グラスホッパー」「3月4日、5時の鐘」「恋人たち」
外国映画 ★★★★★
自由ヶ丘にて」「妻への旅路」「イントゥ・ザ・ウッズ」「マジック・イン・ムーンライト」「フルスタリョフ、車を!」「真夜中のゆりかご」「雪の轍」「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」「サンダーボルト」「夏をゆく人々」「さよなら、人類」「裁かれるは善人のみ」「ベルファスト71」「コードネームU.N.C.L.E.」「007 スペクター」「マイ・ファニー・レディ」
外国映画 ★★★★
「8才のボクが、大人になるまで」「フォックスキャッチャー」「ひなぎく」「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」「セッション」「ハーツ・アンド・マインズ ベトナム戦争の真実」「ドラフトデイ」「やさしい女」「サンドラの週末」「悪党に粛清を」「ホーンズ 容疑者と告白の角」「ジュラシックワールド」「キングスマン」「シグナル」「黒衣の刺客」「チャルラータ」「ハイ・シェラ」「緋色の街 スカーレット・ストリート」「マイ・インターン」「ノスフェラトゥ」「ラヴ・ストリームス」「ラスト・ナイツ」「ウィンチェスター銃73」「独裁者と小さな孫」「天使」
 
日本映画は、毎年言ってるようだが惨憺たるもんだった。その中で「海街diary」が図抜けていたように思えるが、それでも1位にする気にならない。3~4位くらいが座りがいい作品に思える。原節子の特集上映で見た「驟雨」は成瀬作品中、さほど評価が高くないはずだが「海街」の数倍優れて見えるのだった。で、結局「ローリング」をベストとする。停滞した今を描く切り口が寓話的に洗練されていた。
 
外国映画は、上半期、チャン・イーモウと復活作が好印象だったが、下半期に出た絶望3部作ともいうべき「真夜中のゆりかご」「雪の轍」「裁かれるは善人のみ」に吹っ飛ばされた。これらの中で一抹の希望を提示した「雪の轍」を挙げたい。
 
ということで、2015年ベストムービーは
「ローリング」
「雪の轍」