俺が生まれる前の10年間に何があったのかに思いを馳せることはまずないけれど、それでも朝鮮戦争を契機に東西の冷戦構造が形成された10年紀で、核開発の凌ぎあいの結果ビキニ環礁での水爆実験下での第五福竜丸被爆をもたらし「ゴジラ」が製作されたことは、幼少時に外で遊んでいて雨にあたると放射能で頭が禿げるとの実しやかな風聞の記憶につながるのだ。
黎明期にあったテレビは未だ映画産業の敵ではなく、スタジオシステムの隆盛がつちかってきた物的・人的な豊饒が映画に一種の格を付与し、時にはそれは神話的な修飾をもって語り継がれることになる。「50年代で映画は完成されてしまった」との尤もらしい言説もあながち誤りではないと思わせるのだ。
下記のどの作品でもいいが、2020年の今、世に出ればぶっちぎりでベストワンになるだろう。その一方で見れた映画の余りにもの少なさは、そも背後の広大な裾野への憧憬をさそってやまない。
★★★★★
カリビアの夜(フェデリコ・フェリーニ)
終着駅(ヴィットリオ・デ・シーカ)
ショウほど素敵な商売はない(ウォルター・ラング)
情婦(ビリー・ワイルダー)
洲崎パラダイス 赤信号(川島雄三)
大樹のうた(サタジット・レイ)
流れる(成瀬巳喜男)
麥秋(小津安二郎)
ぼくの伯父さん(ジャック・タチ)
雷鳴の湾(アンソニー・マン)
★★★★
愛情物語(ジョージ・シドニー)
青空娘(増村保造)
あした来る人(川島雄三)
生きる(黒澤明)
オースン・ウェルズのオセロ(オースン・ウェルズ)
奥様ご用心(ジュリアン・デュヴィヴィエ)
狂熱の孤独(イヴ・アレグレ)
黒い罠(オースン・ウェルズ)
汚れなき悪戯(ラディスラホ・ヴァホダ)
攻撃(ロバート・アルドリッチ)
シェーン(ジョージ・スティーヴンス)
しのび逢い(ルネ・クレマン)
女侠一代(内川清一郎)
人生とんぼ返り(マキノ雅弘)
戦場にかける橋(デヴィッド・リーン)
大地のうた(サタジット・レイ)
大河のうた(サタジット・レイ)
誓いの休暇(グレゴリー・チュフライ)
黄昏(ウィリアム・ワイラー)
東京暮色(小津安二郎)
夏の嵐(ルキノ・ヴィスコンティ)
浪花の恋の物語(内田吐夢)
涙(川頭義郎)
人間の運命(セルゲイ・ボンタルチュク)
裸で御免なさい(マルク・アレグレ)
裸足の伯爵夫人(ジョセフ・L・マンキーウィッツ)
バス停留初(ジョシュア・ローガン)
バンド・ワゴン(ヴィンセント・ミネリ)
ピカソ 天才の秘密(アンリ=ジョルジュ・クルーゾー)
慕情(ヘンリー・キング)
女狐風呂(安田公義)
夜の河(吉村公三郎)
夜の騎士道(ルネ・クレール)
夜の蝶(吉村公三郎)
旅情(デヴィッド・リーン)
忘れられた人々(ルイス・ブニュエル)