男の痰壺

映画の感想中心です

2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ニュースの真相

★★★★ 2016年8月8日(月)大阪ステーションシティシネマ5 調査委員会でのケイトの最後っ屁にせよ仕掛け人女房のお門違い罵言にせよ、何ぬかしとんねん的すり替えだが、マスメディア論として全く正しいところが本作の絶妙なバランス感覚なのだ。負け戦を描く…

エマニエル夫人

★★ 1975年9月7日(日) 伊丹グリーン劇場 哲人めいたアラン・キュニーによって語られるその実ウブな女を淫乱に導くだけな中途半端な文学臭と、ソフトフォーカスの小綺麗な異国情緒が女たちを大挙して映画館に向かわせた功績は多少認めても、肝心のクリステルが…

ザ・スクワッド

★★★ 2017年1月7日(土) 梅田ブルク7シアター5 何だか並の映画でがっかりした。 なぜかと言うとこの映画の監督のバンジャマン・ロシェという人の「ザ・ホード 死霊の大群」を俺は一まで見たゾンビ映画中で5指に入る出来だと密かに今まで思ってたからだっ…

007/死ぬのは奴らだ

★★★ 1975年8月10日(日) 伊丹グリーン劇場 それ以前も大概大味になってきてはいたのだがロジャー・ムーアをボンドに選択した時点でシリーズは「秘密情報部員」と言う語感が持つ60年代的冷戦下の世界観から断ち切られた。Mやマネペニーとの対面が楽屋落ち的…

シング・ストリート 未来へのうた

★★★ 2016年8月8日(月) シネリーブル梅田2 親の不和にせよ学校でのイジメにせよ総じてライトだし閉塞打破の方途としての音楽もパンク以前グラム未満な半端さで強固なメッセージがあるわけもない。行く先を失しレコードに埋没する兄は弟の何に仮託したのか…

哀れなるものたち

★★★★ 2024年2月日(土) MOVIXあまがさき7 ビクトリア朝時代ということだから、19世紀末から20世紀初頭の話なのだが、多分にパラレルワールドめいた奇想的な美術・衣装が施されている。ランディモスのこれまでの作品も奇想を旨としてきたけど、意…

セトウツミ

★★★★ 2016年8月8日(月)テアトル梅田1 会話の間が命のオフビート漫談なら演出は下手な手出しはせぬが無難なのだが結構手を出しスベらないのが意外だった。大森はハードル高い仕事を完遂したと思う。現実世界では内海のようなキャラに瀬戸のような友達は出…

聖杯たちの騎士

★★★★ 2017年1月7日(土) シネリーブル梅田3 映画脚本家を主人公にしてるのに、「8 1/2」的な映画製作の悩みではない。 そこがつまらない上に、もうどうでもええやんけってなくらいに過去の人間関係にイジイジと拘泥する。 父親・兄弟・別れた妻・不倫の愛…

神の道化師、フランチェスコ

★★★★ 2024年2月4日(日) シネリーブル梅田4 キリスト教への懐疑や絶望を映画は往々にして取り上げるし、「道化師」という邦題から皮肉めいたものを予想していたのだが、教義に対して一片の迷いもない肯定的なものだった。そういう映画だと判るのに見終える…

カラオケ行こ!

★★★★ 2024年1月28日(日) MOVIXあまがさき5 牽強付会もええとこの初期設定であり、そこをどう乗り越えるんやと思っていたが、最初のカラオケルームでのボケツッコミが恐ろしくローキーに弾けない様を見て、関東人の綾野と齋藤潤くんのペアへの懸念が…

サーカス

★★★★★ 1975年8月15日(金) 梅田地下劇場 1976年1月5日(月) 伊丹グリーン劇場 1976年1月18日(日) ビック映劇 地上10数メートルの綱上で猿に顔面を覆われて平然と命綱を外す芸への矜持があるからこそ、この厳しいまでの孤独感の表現に納得させられる。チャッ…

バイオハザード ザ・ファイナル

★★★ 2017年1月4日(水) 梅田ブルク7シアター6 序盤でアリスが罠にかかって逆さ宙吊り状態になりながらアンブレラの刺客たちを殲滅するんですが、相変わらずミラには大した体技がないのに見栄ポーズだけを編集で強調するバカさは健在なのがわかって深ーい…

きみの名は。

★★★★★ 2016年8月29日(月) TOHOシネマズ梅田3 2016年9月11日(日) MOVIXあまがさき1 『転校生』と『時かけ』リミックスとして上出来の前半なのだが、後半の大風呂敷を広げて畳みかけた上に尚畳む疾走感とそれを補完するカット繋ぎのダイナミズム。…

メリーゴーランド

★★ 1975年12月21日(日) 伊丹グリーン劇場 観客に媚びない映画なんて無いのであるが、それでも作り手の矜持の欠片くらいは見せて欲しい。過剰な音楽に煽られラストで泣ける自分が呪わしい。可愛いくて可愛そうな少年を襲う不幸の徹底連鎖。パクリ企画は結構だ…

久保茂昭 Shigeaki Kubo

生年:1973/01/31 kenironkun.hatenablog.com

ゴールデンカムイ

★★★★ 2024年1月21日(月) MOVIXあまがさき6 「るろうに剣心」あたりから日本映画のコミックス映画化作品の風向きが変わったように思います。ようやっと欧米やアジアのジャンルムービーに伍するようになってきたみたい。本作も「キングダム」の脚本家…

ドント・ブリーズ

★★★★ 2016年12月24日(土) 大阪ステーションシティシネマ10 ジャンルムービーとして文句なく良作と言える。 何より往々にして陥りがちな超常やサイコの陥穽に落ちないのが良い。 全篇、爺さんは元軍人の盲目の男ならこうするという行動しかとらない。そこが…

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男

★★★★ 2016年8月17日(水)大阪ステーションシティシネマ7 主義・主張を貫くにはそれを担保する生活力が要るのだということを、持たざる多くの人々を点描しつつ語る。であるから一旦叩きのめされた後、ジャンクムービー職人として再生する過程こそが白眉。女…