男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【かあ~かの】

妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ

★★★★★ 2018年6月13日(水) 梅田ブルク7シアター6 思いをうまく伝えられない男と伝えてほしい女。 その遣る瀬無い機微を描くのは山田洋次の独壇場みたいだ。 俺は、実家に帰ってしまった妻のもとを訪れた夫とのやりとりを見ながら、「男はつらいよ 口笛を…

駈込み女と駆出し男

★★★ 2015年5月24日(日) MOVIXあまがさき5 愚劣な圧制に抗する義賊や理不尽な弾圧に虐げらる切支丹を点描しながらDVネタを主軸に据える強弱感へのセンスはやっぱ原田には無いと思う。仕組みに欠けると言う以前に表層にしか興味が無さそうな本質が露呈す…

勝手にふるえてろ

★★★★★ 2018年1月8日(月) シネリーブル梅田2 俗に言うと、イタい女ってことなんだろう。 いかにもな文学少女っぽい言い訳がましい自己表現が若干鼻につく。 …のだが、そういう懸念をふっとばす勢いがある。 俺は、15年前に「GO」の行定演出を見たとき…

勝手にしやがれ

★★★ 1979年6月3日(日) 大毎地下劇場 1983年5月27日(金) 三番街シネマ2 手持ちノーライトカメラに時間軸無視の繋ぎや既成曲の断片使用に数多の引用など全てはここから始まった起源的価値を剥ぎ取り残るのは青臭い男女の痴話。先駆者は常に陳腐化するの例えか…

家族の肖像

★★★ 1979年6月3日(日) 大毎地下劇場 『テオレマ』倒置形のような設定だが悠々自適引き籠り老人に対しての共感がヴィスコンティに内在する以上ドラマ性も緩くなる。『勇者』なみの更なる悪意と過激が欲しいところだし屋内美術に魅力が無いので『ベニス』のよ…

怪談

★★ 1979年9月24日(月) 伊丹ローズ劇場 武満徹の音楽を背景にした矢鱈センスの良いタイトルに期待は嫌がおうにも高まったが、「黒髪」で最初はこんなもんだろうと思った矢先「雪女」の美術に撃破され「抱一」の何時終わるとも知れぬ冗長さに止めを刺され最早…

彼女がその名を知らない鳥たち

★★★ 2017年10月25日(日) MOVIXあまがさき2 原作を読んであんまり時が経っていないし、大きな改変もないので印象は「読まずに見た」より落ちる。 力作だとは思う。 しかし、原作の最初で最後的な一発入魂ぶりを思うと、まだ緩いのだ。 原作の肝となる…

彼女の人生は間違いじゃない

★★★★ 2017年8月5日(土) テアトル梅田1 「喪失」といっても、肉親を失ったのみならず家や故郷や近隣の人々や一切合財無くなったっていうのは、ちょっと簡単に他者が推し量れるもんじゃない。 だからって、なんでデリヘル嬢なん?…ってことだが、逃避という…

家族はつらいよ

★★★★ 2016年3月20日(日) MOVIXあまがさき3 かねてより寅屋のコラボ再現を夢想してた山田が尺に合う面子に巡り合ったということで倍賞の後継として夏川も完全に趣味に合う。老妻の反乱は未遂に終わっても犬の欠伸で済む話。若作りな色気を排した世界では稔…

影の軍団 服部半蔵

★★★ 2016年3月12日(土) 新世界東映 凡庸な殺陣シーンの度に睡魔に襲われ劇部分で渡瀬の切れ良い口跡に覚醒するという体たらくだが、忍者のアメフト装束や城のジェンガ基底など幼児的なくだらなさが憎めない。感情の機微も糞もない愛子との濡れ場の果ての無…

家族はつらいよ2

★★★★ 2017年5月29日(月) 大阪ステーションシティシネマ2 1作目からというより「東京家族」のときから、完成されていた役者間のコラボレーションなので、今さら上手いなあと思うわけでもないのだが、にしても、この概ね何らかの毒を含んだ面子を昭和チッ…

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス

★★★ 2017年5月15日(月) 梅田ブルク7シアター2 アライグマの含蓄が半端ない域に達してきて、それだけで楽しい。 しかし、一方で主役の兄ちゃんは何だか影うすい。 そりゃ、父親と息子の関係が主旋律だから、彼はあくまで主人公なのだが、多分こう思ってる…