男の痰壺

映画の感想中心です

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

オースティン・スターク Austin Stark

生年:1979/5/31 kenironkun.hatenablog.com

風の谷のナウシカ

★★★★★ 1984年4月21日(土) 渋谷東急 1994年4月29日(金) つかしんホール 地政学的広がりと歴史的時間軸を精緻に設定して巨大なクロニクルの一端を垣間見たようなロマンティシズムが発生。清冽な風吹く空と澱む腐海の高低差の表現とそこを縦横に飛翔するダイナ…

死刑台のエレベーター

★★★ 2010年10月15日(金) 梅田ブルク7シアター3 唐突にキレた状況から物語に差し込まれる玉山の描写。その脚色の冴えは買うし又絡む景子ちゃんも超ノーブル。問題は吉瀬のパートで、1夜の不安と焦燥と嫉妬の彷徨芝居はジャズ抜き外タレ加味で学芸会風味…

ダーティハリー4

★★ 1984年5月3日(木) 梅田東映パラス 敵と1点相容れる要素のない完全無欠の対立軸上にこそ成立するハリーのキャラを安っぽくメロウな設定で御大自ら台無しにしてしまった。それが証文の出し遅れみたいな7年ぶりであり且つ又かのソンドラド真ん中となると最…

わたしの叔父さん

★★★★ 2021年2月8日(月) テアトル梅田2 タイトルから受ける何となくのほほんとしたイメージとは相当に違う。良い方向に違っていたんですが。 何より状況を描くに徹底して真摯だし、力の注ぎ方も半端ない。そうした姿勢は、半ドキュメンタルなコンセプトに…

シャルロットとジュール

★★★ 2010年11月20日(土) 第七藝術劇場 結局、そんなことならさっさと済ませて失せやがれということなのだが、弄ぶかのようなシャルロットのお茶目さの執拗な過剰感は見てて不快ではない。男の未練や強がりと親和し呼応してるからだろう。ラストの決めはベ…

インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説

★★★★★ 1984年7月21日(土) 南街劇場 インディが伝説の領域に達したことを2作目にしてスピルバーグもフォードも了解していたらしい。ギュウ詰めの腸詰めウィンナーの如くに珠繋ぎな見せ場の連続だが世界を支配した者のみが持つ完璧なる余裕が全篇に横溢。(cin…

エクスペンダブルズ

★★★ 2010年11月6日(土) 梅田ピカデリー3 前半は暑苦しい親爺どもの幼児会話の応酬に苦笑交じりの声援を送りつつ、スタ・ステコンビの連携も冴えアクションも堪能できるのだが、終盤はもう何がどうなってるのかさっぱりな体たらく。それでも皆でガハハと能…

蘇るケッ作(?):改

昨日、プラネットにマンキーウィッツの初期作「ボストン物語」の最終上映を見に行ったら上記のチラシを配ってたので、改めてPRってことで。(ちなみに「ボストン物語」は予想外の傑作でした) 「大阪フィルムアーカイブ計画」ってのがあって、昔の大阪の景…

すかんぴんウォーク

★★ 1984年2月15日(水) 伊丹ローズ劇場 丸山脚本は馬鹿馬鹿しさと世知辛さを交えたアイドル売出し映画として文句無しだった筈だが、大森演出が初の外注企画への意欲は垣間見えるにしても馬鹿に成りきれず吉川も如何にも生硬だった。結果、見ててこっ恥ずかし…

エクリプス トワイライト・サーガ

★★★★ 2010年11月6日(土) 梅田ブルク7シアター6 私の為に「喧嘩しないで」から「戦争しないで」へと膨張する乙女チックお姫様願望の全き衒いなさが清清しい。イジイジな三角関係の一方で宿敵ヴィクトリアはあっさり退場という展開の緩急の妙。加えてダコ…

トワイライトゾーン 超次元の体験

★★★ 1984年7月31日(火) コマシルバー ランディス篇がTV版の緩くも真っ当な再生だとしてもスピルバーグとダンテは勘違いとしか思えない。そんなガキ魂を一気にブッ飛ばすジョージ・ミラーの凝縮された暗黒の焔が圧倒的。端から結まで振り切れまくりでシリー…

大根仁 Hitoshi One

生年:1968/12/28 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

フランコ・ゼフィレッリ Franco Zeffirelli

生年: 1923/02/02没年: 2019/06/15 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

わたしの可愛い人 シェリ

★★★ 2010年11月6日(土) 梅田ガーデンシネマ2 終盤の2転3転の女心の移ろいが「畳み掛ける」までのダイナミズムに至らない。総体的にも冗長である。2人の変則愛が成立する寛容の時代としてのベル・エポックなのだろうが、にしても、舞台は限定され、時代…

男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎

★★ 1984年8月30日(木) 観光会館地下劇場 浅丘ルリ子や岸本加世子といった同系列の女フーテンに比して世荒びの疲弊感も天与の楽天思考も無いマドンナ。寅が加担する意味も理解不可能。加えて渡瀬の役回りなど最後まで煮え切らない展開にも唖然。総じて低調な…

行きずりの街

★★★★ 2010年11月20日(土) 梅田ブルク7シアター4 人生街道から堕ちたと思い込んでるダメ男の復活譚なのだが、通り一遍ではなくダメなままで煮え切らない丸山節。それが最高に昇華する中盤の女のマンションでの2人芝居には泣けた。凡庸な本筋サイドは窪塚…

本音と建前 そして終わりの始まり

「ずいぶん住みにくい世の中になっちまったよな、そう思わねえか」 「まったくだよ、何なんすかねえ、今回のモリ発言をめぐる顛末って、まあ今更ですけど」 「ピラニアがウジャウジャいる川に落ちた子羊みたいなもんだよな」 「座布団1枚っす」 「正義と善…

ランブルフィッシュ

★★★★★ 1984年9月9日(日) 友楽スカラ座 『アウトサイダー』の変奏曲とでも言う存在であることに意味がある。広角レンズや微速度撮影を駆使した甘味料ゼロのモノクロ世界に最果ての世界の孤高な男達が深海魚のようにたゆたう。それに拮抗してレインも又向かい…

ブロンド少女は過激に美しく

★★★★★ 2010年11月20日(土) 第七藝術劇場 根性悪に見えても清新な気概を持ち、無垢な魂の裏には悪魔が潜む。仄かにズレた間合いの居心地悪さと一筋縄ではいかない狂気の片鱗を散りばめたオリヴェイラ節の最高度の凝縮と結実。畳み掛けるラスト3カットの内…

名探偵ホームズ 青い紅玉の巻/海底の財宝の巻

★★★ 1984年4月21日(土) 渋谷東急 割り切って見れば悪いものでもないが、擬人化された犬の温さに宮崎の本気度合いも疑うお仕着せ企画の挿話の接ぎ木で、ド本気作『ナウシカ』の露払いとしても煩わしいだけのカップリング。ただ、地上と中空の絶妙な距離獲得へ…

デヴィッド・リーン David Lean

生年: 1908/03/25没年: 1991/04/16 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

片渕須直 Sunao Katabuchi

生年: 1960/08/10 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

マチェーテ

★★★ 2010年11月20日(土) 梅田ブルク7シアター1 『キル・ビル』の裏返しで始まった物語は、導入はゴアな描写も冴えて絶好調であるのだが中盤以降は『デスペラード』的に急速に停滞していく。越境ネタを描くにロドリゲスは「こっち側」に居るべきじゃない…

晴れ、ときどき殺人

★★★ 1984年9月16日(日) トビタ東映 1軒の屋敷で繰り広げられる密室劇を、とにかく1画面内に多くの登場人物をギュウ詰めにひしめかせて見応えはある。しかし、角川第三の新人渡辺典子が非個性的で重く弾けない。ただ、その弾けなさが嫌いじゃない。(cinemas…

ばかもの

★★★ 2010年12月25日(土) シネリーブル梅田2 SEXやアルコールや宗教などへの多くの依存に言及されるが、それは物語の骨子として捉えられず編年体の再生説話の背景でしかない。そこが物足りぬし散漫でもある。とは言えラストは泣かされた。内田は力演だ…

クラッシュ

★★★★ 2021年2月7日(水) シネマート心斎橋2 ここまで世界と孤絶して変態に耽溺されると参りましたとしか言えない。 クローネンバーグが「戦慄の絆」以後に舵を切った内向する純文学的変態シリーズの到達点なんだろう。全部見てるわけじゃないんですけど。 …

スーパーガール

★★ 1984年9月29日(土) 観光会館地下劇場 健全な鑑賞動機で見るなら楽しい映画かも知れぬが、お色気期待の下に見たら欲求不満も甚だしい。パロるしかない題材を実際洒落のめしてる部分があるにせよ匙加減が生半可。飯事と戯作は髪一重ということだろう。一線…

ノルウェイの森

★★★★★ 2010年12月11日(土) TOHOシネマズ梅田3 内省的な高踏さで繕われたエロ文学としての在り様に忠実であるし、出来不出来はあるが表現に確信的な強度が持続されている。モラトリアムな諦観とモラリスティックな信義則の奇妙な同居。情緒的でない6…

卒業白書

★★ 1984年7月31日(火) コマシルバー どんなくだらない題材であろうと映画にして悪いわけではないのだが、くだらないならくだらないなりの身の振り方というものがあるわけで、馬鹿丸出しなら笑って済む。あっち側に行ききらないなら努力してでも馬鹿になれと…