男の痰壺

映画の感想中心です

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

おもひでのしずく (2004年9月7日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 アンダー・サスピション FINAL 2004年9月某日。とある屋台のおでん屋。1人の男が暖簾を開けて顔を出した。「遅いぜ!ベイビー」いきなり1人の男ががなりたてた。男は鷹揚に頷くと横の席に…

黄金を抱いて翔べ

★★★ 2012年11月4日(日) MOVIXあまがさき10 物語の背景に「半島」や「新左翼」という硬質ファクターを匂わせ、過剰な暴力とコテコテ笑いをを随所に配置する。前半に関しては惚れ惚れする捌き具合だった。だが、そういうのを全部置き去りにし段取り劇…

破れ太鼓

★★ 1982年9月16日(木) 池田中央第一劇場 頑固な旧世代親爺に殊更の異論は無いし阪妻も当たり前に良い。しかし、相変わらず子世代に全く共感を覚えられないのは何故なのか?時代感覚が無いとかのレベルでなく、やっぱ木下は本質的にずれてるとしか思えない。…

湧き上がるマインド

2カ月の空白を経てなんとか再起動を果たしました。 もうこのまま映画を見なくなっちまうんじゃないか、休みの日にわざわざ出かけるのしんどいの思いが俺の起動を妨げる。 あー朝から酒のんでゴロゴロしながらテレビやネット見てる方が楽やん。 それでも怠惰…

おもひでのしずく (2004年9月6日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 人生哀歌 グレイゾーンが消失し世の中は勝組と負組に2極分化するなら、それはそれで結構なことである。才ある者が、或いは努力した者が勝ち、才無き者、或いは努力せぬ者が負けるのならば、致し方な…

危険なメソッド

★★★ 2012年10月27日(土) TOHOシネマズ梅田7 確執や愛憎など常道なメリハリがクローネンバーグは不得手。かと言って、カルトな精神学世界を舞台にしつつ得意の変態嗜好も遠慮して出せない。結果、ダラで平板な凡作となった。皮肉にもキーラの茶番演技…

蒲田行進曲

★★★★★ 1982年10月10日(日) 伊丹ローズ劇場 被虐と嗜虐を往還する展開の不条理は一応「映画王国」の特異現象として言い訳されてるが、そこから純愛を抽出する作為は本来泥臭い。しかし幸か不幸か、そういうことに斟酌しない深作怒涛のハイテンションが胡散臭…

悪魔のささやき フォーエバー

香港国家安全法の制定に関して、キョーサンのシイさんが抗議を表明しないアベ政権を批判したわけなんだけど、お気楽な自民批判に明け暮れる夢想家集団の本質を露呈しているわ。ここは高らかに中国共産党との断交を表明・宣言するくらいやったらどうなのよ。 …

おもひでのしずく (2004年8月18日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 人生の本質 例えば財布の中に1円玉が7枚あったとする。非常にウザい。煙草を買うとき、ジュースを買うとき…他の重要な10円玉や100円玉が紛れて見つかりにくい。そういうときにコンビニ等に行っ…

悪の教典

★★★ 2012年11月11日(日) MOVIXあまがさき6 主人公の来歴なぞ必要もないものを寸語りするので純度が落ちる。故に一方的に「モンスター」に蹂躙されまくるだけのバカ絶対映画の地位さえ失った。でも、そんな地位に意味があるとも思えない。伊藤は確か…

戦争のはらわた

★★★ 1982年11月4日(木) トビタOS劇場 物語に於ける個と個の対決のエモーションの発露にアルドリッチ的世界の住人たらんとしても、屹立した個のダンディズムを至上命題とするペキンパーとはベクトルが違うのだ。だから、メリハリに欠ける物語が固執されるス…

分断するシネフィル

書名は忘れたが四方田犬彦の本を立ち読みしてて、なるほどなと思ったのが、いわゆるシネフィルと言われる人種にも2種類あって、新規公開されるマイナー映画は見るが、監督や俳優で特集上映されるような過去作は見ないという層と、その全く逆の層が存在する…

おもひでのしずく (2004年7月29日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 生き様 本当に、酔っ払って誤って滑って転がり落ちたのだろうか?だとすれば、余りに、らしすぎるし、一貫した生き様を全うしたもんだと思うし、それとも、鬱か何か知らんが、冥土の淵に足を掛けて、…

アパートメント:143

★★★★ 2012年11月17日(土) シネリーブル梅田2 『PA』亜流かと思えば、『ヘルハウス』や『ポルターガイスト』系譜のプロチームのお化け屋敷攻略色が堅牢な良作。戦略的に多く設置されたカメラの複眼的視点交錯が1カメのストレスから見る者を解放する。遡…

乱れ雲

★★★ 1982年11月4日(木) 新世界東宝敷島 交通事故や補償といったリアルに同時代的な材料がひっかかる。もどかしいまでの切なさがシビアな現実に浸食されていく。何も古典的な浮世離れを信奉するわけでもないが、終止符を決定する材料も深淵とは言えない。(cin…

自粛後遺症

いやあ、満を持して昨日という日を待ち望んだ筈だったんだがよ。 かれこれ1か月半、日曜日には朝っぱらから酒飲んで寝たり起きたりの朦朧パターンが身に沁みついてしまって、映画館に行かねばの気持ちが、酒のんでテレビ見て過ごす方が楽じゃんに駆逐される…

おもひでのしずく (2004年7月26日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 真夏の夜に思う日本国の行く末 昨夜、地元の少年サッカークラブが主催する花火会に行ったのだが、市販のショボい花火に目を輝かせて見入る息子たちを見ていて不憫に思った。子の親になって、かれこれ…

桃さんのしあわせ

★★★★ 2012年11月17日(土) 梅田ガーデンシネマ2 使用人にちょっと良いことしてあげました的胡散臭さから免れてる所以は、主演2人のプレーンな平衡感覚と明晰なアイデンティティの存在。為に非ドラマチックだがアン・ホイの視座は信頼できる。サモ・ハンや…

甘い生活

★★★★★ 1982年11月8日(月) 梅田ロキシー 60年の今を描きながら典雅で絢爛たる古典の風格をも持つ。時空の狭間から現出した異次元空間の如き狂騒世界はやがて静謐の境界線上に至るのだが、生ある者は戻るしかない。その図式的展開の強固なパワー。何十時間で…

俺のお気に入り映画 1980年代

1980年代とは2点で括られる年紀であると思う。ベルリンの壁崩壊に始まった欧州共産圏の体制崩壊と、日本国内に於いては政策的低金利による過剰流動性が産み出したバブルである。俺的にはモラトリアムな学生時代が終焉し社会人となった10年紀なのだが…

おもひでのしずく (2004年7月16日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 ナルシズム~地獄の減量日記帳 風呂場の鏡で自分の姿を見る。前から横から後ろから。5分から10分毎日見る。急激に痩せた為、皮がたるんでる。哀愁が滲み出る俺の体。「うーむ…マンダム…」 こけた頬…

ふがいない僕は空を見た

★★★★★ 2012年11月17日(土) テアトル梅田1 底知れぬ闇を背負った主婦と友人に挟まれ空を見上げる「僕」は自分のエロ動画を晒されてもイジける次元に居ない。田畑と窪田が踏み出す明日には良い事あるだろう…多分。そして、新たな命への賛歌。願わずにいられ…

アメリカの伯父さん

★★★ 1982年9月26日(日) 三越劇場 一見、機知に富んだ構成にも見えるのだが、如何せん肝心の物語が凡庸なので、最終的に「だから何やねん」としか思えないのが苦しい。所詮人間の悩みなんてこんなもんさと思わせてくれないと帳尻がつかないのだ。ヴィエルニ撮…

もしかしてだけど リベラル三賢人

国会前のデモに出張り 周りの熱気に飲み込まれ 叩き斬ってやるアベの雄叫びかました もしかしてだけどもしかしてだけど 健さん気取ったアナキストなんじゃないの 昭和と古武術大好きで 変化を進める奴嫌い フェミニズムに靡いてマツイを叩いた もしかしてだ…

おもひでのしずく (2004年5月20日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 暗黒賛歌 暗黒賛歌 作詞 悪悠 作曲 包強兵 歌 タイガー今林 やってやるのさ いつかは俺も見てろよ今に こんちくしょうSpend the night alone灯りの消えた俺の部屋にWelcome 闇の魑魅魍魎Let's Spend t…

その夜の侍

★★★ 2012年11月24日(土) 梅田ブルク7シアター6 予断を許されぬ、曰く言い難い変質味を湛えた夢幻的展開だが、終盤の帰結に決定的に失望した。知れたことを見たいわけじゃない。諦念を経た自己回復は座りは良いが釈然としない。自壊して世界を全否定する…

夏の秘密

★ 1982年9月19日(日) 伊丹グリーン劇場 たのきん映画ヒットの夢よ今一度と少女版3人組パンジーで勝負に出た東宝。って言うほど勝負したとも思えないダラな出来。まあ、たのきんみたいな白痴的能天気さを持ち合わせていない普通少女パンジーちゃんたちにはこ…

賭けないマージャン

「これどうでしょう」 「うむ、ロン、リーピンサンシキドラドラ親ッパネだな」 「あいたー、トンだ」 「で、お前なんぼや、28000、お前が8000そんな負けてた?、でお前がハコか、もーちょっと強なれよ、歯応えないなあ」 「すみません、頑張ります…

おもひでのしずく (2004年5月7日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 アンダー・サスピション vol.4 2004年5月某日。とあるハンバーガーショップ。1人の男が自動ドアを開けて入って来た。そして店内を見渡す。「よおーっ!ここだよ」喫煙席で1人の男ががなりた…

アルゴ

★★★★ 2012年11月25日(日) 大阪ステーションシティシネマ5 快楽リズムは随所にある。だが、アーキンやグッドマンが快演だとしても、後方作戦でしかないハリウッドパートを主戦場での奪還劇と併置するのは身贔屓だし、実話という根拠に安住してる。バランス…