男の痰壺

映画の感想中心です

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

パリより愛をこめて

★★★ 2010年5月25日(火) 梅田ピカデリー4 殺戮の底浅の余りの軽薄に不快ボルテージが上昇。クソに等しい起と承だが、転がり出した折り返しでの腹芸の切れと高速道でのチェイスで加点した。この題材なら『愛をこめて』よりマルセイユを青息で駆けたハックマ…

コットンクラブ

★★ 1985年3月21日(木) 観光会館地下劇場 暗黒と華やぎ。2重の重心が互いを相殺した。『ゴッドファーザー』のエッジの半値で『ワン・フロム・ザ・ハート』の実験性の8割引という廉価版複合体で、コッポラ神話にとどめを刺した。同系ジャンルの成功作には「…

ピエトロ・ジェルミ Pietro Germi

生年: 1914/09/14没年: 1974/12/05 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

バンジャマン・ロシェ Benjamin Rocher

生年: kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

パラノーマル・アクティビティ

★★★★ 2010年5月26日(水) 新世界国際劇場 固定の暗視映像の片隅の変異を固唾を呑んで凝視しすることで、安易なアップやコマ伸ばしや字幕やマーキングに飼い慣らされた俺たちの受動姿勢があからさまになる。だから、ロクに何も無いことこそ意味がある。某御…

砂の惑星

★★★ 1985年3月30日(土) 大阪松竹座 複雑多岐で超絶長大な原作は『LOR』並の構想力で企画されるべきだった。ハルコネン男爵の造形を見ても奇形に偏愛するリンチのセレクトは魅力的だが全体を統べる者がいなかったということだろう。ロマンティシズムが決定…

春との旅

★★★★★ 2010年5月26日(水) 梅田ブルク7シアター3 若干説明的に過ぎるかと思える台詞に血肉を与え強引に納得させる役者群の技量と、スタティックに強固な吸引力でそれを定着させる演出とカメラは圧倒的。多くの『東京物語』変奏バージョン中、これを屹立さ…

COME&GO カム・アンド・ゴー

★★★★ 2021年3月12日(金) シネリーブル梅田3 大阪キタを舞台に9ヶ国の人たちが織りなす群像劇ってことで、まあ、これはリム・カーワイにしか撮れない題材だよなと思う。 もしかしたら、日本人のクリエイターでも取材を重ねてこういう企画は立てられるのか…

天国にいちばん近い島

★★ 1985年2月3日(日) 友楽会館大劇場 少女は独力で物語を切り開くべきで爺さん婆さんの出る幕ではないだろう。ニューカレドニアという夾雑物を廃した世界を舞台に選びながら、やることが不純なのだ。知世は健気にいいけど、やっぱ彼女には太陽の光は合わない…

ヒーローショー

★★★★★ 2010年6月2日(水) 梅田ブルク7シアター2 些細なリアリズムの積み重ねによるミクロな小競り合い。そのド本気の錯綜だけでも見応えはあるが、混沌と拡散の果てに、そこには留まらない俯瞰的な時代観のようなものが現出してくる。『ガキ帝国』への本…

メトロポリス

★★★ 1985年4月7日(日) 戎橋劇場 巨視的な世界観に感じる魅力は階層社会へのおののきの形骸と表裏であって一方のみを論じる危うさを内包するが、にしてもスペクタキュリティでありすぎる。凄い。金属のマリアが提示する未来への戦慄は今尚警鐘を鳴らし続ける…

市井昌秀 Masahide Ichii

生年:1976/4/1 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

ジョン・カーニー John Carney

生年:1972// kenironkun.hatenablog.com

制覇

★★★ 2010年5月8日(土) トビタ東映 制覇の後の高位安定期の沈滞を描き、それが瓦解し行く直前で終えるという反ドラマトゥルギーに対し、任侠・実録・OVのごった煮に岡本暗黒街まで混じえた見境無きキャストの混沌が魅せる。しかし、結局は茉莉子がかっさ…

殺意の香り

★★ 1985年4月14日(日) 大毎地下劇場 謎の金髪美女や精神分析的アプローチを散りばめ否が応でもヒッチコックを想起させるのだが、違うのは主役2人に華が無く地味臭いこと。何を描くかではなく、どう描くかに主軸を置く映画作りはベントンの柄じゃない。遊び…

告白

★★★★★ 2010年6月9日(水) TOHOシネマズ梅田1 現代の混沌と閉塞を論じるには終盤の安易とも言える解題的展開には疑問を覚えるが、一方で冴え渡る巧緻な技巧と詩情は絶頂の森田や市川準をも凌駕する。そして、浮上するトリアー的破壊神松たか子と反転し…

シン・エヴァンゲリオン 劇場版𝄇

★★★ 2021年3月9日(火) TOHOシネマズ梅田3 冒頭のパリでの見せ場が、全く意味不明の映画的な牽強付会ハッタリズムで素晴らしい。これは「Q」と同じである。 が、素晴らしいのはそこだけであった。 この半年で新劇場版3作を見たのだけが、俺の知り得…

海燕ジョーの奇跡

★★ 1985年2月16日(土) 観光会館地下劇場 モラトリアム身上の藤田が撮るには徒に劇的であったりするものだから、どっちつかずで主人公の逃亡劇から何を浮かび上がらせたかったのか皆目わからない。鈴木のカメラもマニラを同化も異化もし切れず結局は何の魅力…

極道記者

★★★ 2010年4月24日(土) トビタ東映 題材も出来もニッチな置き去り感濃厚なのだが、やはり望月の描くベッドシーンはエロくて魅せる。又奥田瑛二の粘着体質に白竜・川上麻衣子の『凶暴につき』コンビが脇を締めて呼応し低位安定感を醸す様も見物である。(cin…

知りすぎていた男

★★★ 1985年6月23日(日) 友楽スカラ座 ヒッチの技法は、どっちかと言うと物語に従属し映画的快感に乏しい。何より主題歌「ケ・セラ・セラ」が屹立した存在感を示す終盤は技巧に耽溺した作家があっけらかんと1音楽に隷属してしまう様が一種歪で異様でさえある…

テレンス・マリック Terrence Malick

生年: 1943/11/30 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

ガイ・ハミルトン Guy Hamilton

生年: 1922/09/16没年: 2016/04/20 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

エンター・ザ・ボイド

★★★★★ 2010年6月10日(木) 梅田ガーデンシネマ1 執拗に「愛」に言及し遡及される時間軸の彼方に現れる俯瞰的境地。完全に『アレックス』の焼き直しだが、東洋的「輪廻転生」観に依拠し精子君の頑張りまで描くノエは矢張りお茶目である。延々と揺らめくカメ…

聖女伝説

★ 1985年3月21日(木) 観光会館地下劇場 のし上がったるという土性っ骨も見受けられない柔野郎が、それらしいポーズを決めたってダサすぎる。その戦略もオバンをコマすという原始的手法位しか取り柄もない設定では最早スタッフ誰1人やる気なかったのが見え見…

博奕打ち 一匹竜

★★★★ 2010年5月26日(水) トビタ東映 彫り物というミニマムな世界への或る程度の拘りがクライマックスの我慢大会の壮麗な男の裸品評会へと収斂するあたり任侠ものの中での特異性を堅持する。天津・遠藤の敵コンビが若干弱い一方松尾・中村・丹波のサポート…

ガンズ・アキンボ

★★★★ 2021年2月27日(土) TOHOシネマズ梅田8 自慢じゃないけど「ハリー・ポッター」を1本も見てない。シリーズ終焉後にダニエル・ラドクリフが己が生きる術をこういう方向に見出したことに特に感慨もないが、それでも嘗ては2の線でメガシリーズを牽…

バイオレント・サタデー

★★ 1985年5月20日(日) 大劇名画座 無機的なハートやハウアーといったキャスティングは正解と思うが、乾いてクールな情感が肝のハイテクなスパイネタにローテク丸出しのベタな侠気命の爺さんを起用して台無しにしてしまった。陳腐化したモンタージュが又ウン…

ローラーガールズ・ダイアリー

★★★★★ 2010年6月12日(土) TOHOシネマズ梅田5 流されてるようでいても正念場では主体的に「決める」ことを繰り返し描き、何かを得る為には何かを棄てないといけないことを正確に描いている。何度も描かれた物語だが、競技に打ち込む小柄なペイジの躍動…

★★★★ 1985年6月1日(土) 三番街シネマ1 1999年10月16日(土) 動物園前シネフェスタ3 大上段に構えて滅びゆく者へのレクイエムを紡ぐには駒が足りなかった。役者は悲愴ぶっても本質を表出し切れない。特に原田とピーターは無惨。三の城は箱庭のミニチュアで敗…

大森立嗣 Tatsushi Omori

生年: 1970/09/04 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com