男の痰壺

映画の感想中心です

2023-01-01から1年間の記事一覧

燃えよドラゴン

★★★★ 1974年11月3日(日) 伊丹グリーン劇場 ジャンプしての肋骨砕きとヌンチャク奪取後のデモシーンが境界線上に立ったリーの近寄りたくないオーラを纏い出色であるが、冒頭の少林寺での説法が偏執ムードで煙に巻いたのも大きい。出涸らしのチャチい物語骨格…

市子

★★★★ 2023年12月11日(月) シネリーブル梅田2 死んだ或いは失踪した男乃至は女が存在しない若くは全く違う人物であった。というツカミは一昨年の「ある男」と近似だが、あちらが当該の男以外の人物を物語の真ん中に併存させた為に焦点が拡散したように思た…

ダゲレオタイプの女

★★★★ 2016年11月5日(土) シネリーブル梅田4 黒沢清はシネフィル系の小賢しさが邪魔して本質的には好きになれない作家だったが、前作「クリーピー」から、突然何かが変わったようだ。 加齢による内面の成熟なのだろう、多分。…と適当なことを言ってみるの…

ゴッドファーザー

★★★★★ 1974年5月5日(日) 伊丹グリーン劇場 1980年8月7日(木) 大毎地下劇場 マフィアによる殺戮連鎖もファミリー結束への拘泥もシチリアでの刹那な愛もそのパッションはギリシャ悲劇めいた悲愴とロジックが上塗りする。しかし、その厳格な統御から突出するブ…

甦る昭和歌謡 vol.28

Fleetwood Mac - Go Your Own Way (Official Music Video) [HD Remaster] - YouTube www.youtube.com フリートウッド・マックも2回目。そして、これ又拙作「片恋 夢のあと」より。 「ドリームス」のメロディを背景に4人の男のアタックを、1人目=ほっぺた…

甦る昭和歌謡 vol.27

The Rolling Stones - Bitch - Marquee Club, 1971 - YouTube www.youtube.com ネタが思いつかずストーンズ2度目です。で、又もや拙作「ときめきウィークエンド」から。エンドクレジットに使いました。 山中に分け入った5人の男女は、本来の目的の宝物発掘…

大脱走

★★★★ 19774年2月24日(水) 阪急文化 ビッグXの英式階級統治が相容れぬヒルツ米流個人主義と職能集団の共同作業の中で幸福な融和を成す前半も良いが、やはり後半に一転する娑婆の空気の開放感。ヒリつく緊張が漲る中を独立独歩のマックイーンに豪快に突っ走…

続・深夜食堂

★★★ 2016年11月6日(日) MOVIXあまがさき9 第1作もTVシリーズも未見。 野郎どもは概ね見た顔だが、第1話(河井青葉)と第2話(小島聖)のヒロインに馴染みがない。 2人ともどこか薄幸な感じが良いキャスティングセンスで見飽きた佐藤浩市や池…

存在の耐えられない美味さ

もはや、牛丼屋の卵かけご飯見るのも嫌になってもうて、又ぞろ連日、ファミマ、セブン、ローソンを行脚の如くに巡り巡って安くて美味いパンを探し求める日々なんやけど、あー焼きそばパンもコロッケパンもたまごパンもハムカツパンも飽きたなーと、所詮はコ…

ポセイドン・アドベンチャー

★★★★ 1974年5月5日(日) 伊丹グリーン劇場 「モーニング・アフター」の調べと豪華客船での新年のカウントダウンという設定があるからこそ急転直下に始まる地獄行が帯びる一種の哀切味や、キャラクターが外見と正逆な内面を露呈し始める巧さは、先を急ぐだけの…

ドラゴン危機一発

★★ 1974年11月3日(日) 伊丹グリーン劇場 蹴られて人型の形で壁を突き破っていくさまがギャグではないらしいのが意気消沈させる。全てが安くせこくテキトー。ブルース・リーに後の作品のような抜き差し成らない悲壮感が無く素材に徹して凡庸だ。可愛いだのな…

甦る昭和歌謡 vol.25~vol.26

本田美奈子 「Oneway Generation」Minako Honda " Generación unidireccional " - YouTube www.youtube.com 嵐の素顔 工藤静香 #工藤静香 #三浦徳子さん作詞 - YouTube www.youtube.com 何度か書いてますが、俺の20代の頃はカラオケボックスなんてなくて、…

溺れるナイフ

★★★★ 2016年11月12日(土) TOHOシネマズ梅田3 和歌山が舞台ということで中上健次が引き合いに出されるのだが、正直読んでないんでわからない。しかし、この映画のテイストの粘度に70年代の映画「青春の殺人者」を鑑賞中連想した。さすれば、その映画の原…

日本沈没

★★★ 1974年1月2日(水) 阪急文化 丹波の泥縄慚愧と小林の反自戒狂気という映画史的に再現不可な突出マイナスエナジーが全篇を支配するが、それは当時の日本に蔓延した終末思想の合せ鏡なのだ。崩壊の果ての安易な救済ではなく酷薄なまでの民族消滅までも呈示…

チャップリンの独裁者

★★★★ 1973年11月24日(土) 新聞会館大劇場 独裁者パートは時間に追われる設定がスピード感を煽りギャグ積載量も豊富で澱むところ無くチャップリンの潜在悪意が垣間見える際どさ。その分そう悪くもない床屋パートが凡庸に見えてしまうが、恒久平和をベタベタに…

ジャック・リーチャー NEVER GO BACK

★★★ 2016年11月13日(日) MOVIVあまがさき10 目立った個性もないが実直で剛腕な演出が好ましいエドワード・ズウィックは汎用型フランケンハーマーかウォルフガング・ペーターゼンの弟みたいな趣である。 来りて去りなむの定番展開がもはやパロディ…

マイケル・パウエル Michael Powell

生年:1905/09/30 没年:1990/02/19 kenironkun.hatenablog.com

プロフェッショナル

★★★ 1973年9月2日(日) 伊丹グリーン劇場 敵味方同床の馴れ合い感が横溢する割にはその辺を過剰にフィーチャーせぬ醒めたブルックス演出が悪くはなく、2大曲者男汁役者が確執もなく共闘するのも又味わい深い。しかし、やっぱ強固な憎悪や義憤がないと盛り上…

荒野の七人

★★★★ 1973年9月2日(日) 伊丹グリーン劇場 世界を取り巻く厚みは減失したが粛々と仕事を遂行するプロ魂は倍加され胡散臭いリーダーのもとでもミッション遂行のエネルギーは十全。7人と言うより4+3のキャラ力学が頃合の配分でド真ん中を射抜かれた少年の夢…

二重生活

★★★★ 2023年11月23日(木) プラネットプラスワン 毎回、役を演じるときにその役が入りすぎて日常にも侵食してしまう。それが高じてとうとう殺っちゃいましたって話なんですが、どうなんでしょう。 そういう男だから、「オセロ」を演じる話が来たとき躊躇す…

追悼 山田太一

山田太一が亡くなったことで又ひとつの時代の終焉を思うのだけど、そんな最もらしいこと言って実は「岸辺のアルバム」も「ふぞろいの林檎たち」も見てません。ただ唯一「男たちの旅路」は大好きで見てました。 街中のビルの「土曜ドラマ」の電光表示が静謐な…

湯を沸かすほどの熱い愛

★★★★ 2016年11月16日(水) 梅田ブルグ7シアタ-4 如何にして人生にけじめとか帳尻をつける物語だろうと高を括っていたら中盤から思わぬ展開に襟を正すことになる。 全く報われない人生を送ってきたらしい彼女だが、その報われなかったことに気付…

アンナ・ボーデン Anna Boden

生年:1979/10/20 kenironkun.hatenablog.com

エリック・トレダノ Eric Toledano

生年:1973/04/15 kenironkun.hatenablog.com

誘惑

★★★★★ 2023年11月20日(月) シネヌーヴォ 千田是也と芦川いずみ、左幸子と葉山良二、渡辺美佐子と安井昌二の3つの恋バナが主軸となるが、どれも多分にライトである。それでも、その周辺の多彩な人物群像の関わりを適宜捌きながらグイグイ物語を推し進める…

ジェフリー・フリードマン Jeffrey Friedman

生年:1951/08/24 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

★★★★ 2023年11月27日(月) MOVIXあまがさき3 強固な撹乱要因を取り巻くホモソーシャルな集団を描いた点で大島「御法度」を連想するのだが、たけしの頭の中にもそれはあったと思う。あの映画のたけしと崔洋一の苦笑と冷笑まじりの傍観スタンスは、たけ…

甦る昭和歌謡 vol.22~vol.24 (動画なし3題)

Taeko Ohnuki - 軽蔑 (1980) [Japanese Rock/New Wave] - YouTube www.youtube.com Tanya Tucker - Round And Round The Bottle - YouTube www.youtube.com What You Got (Remastered 2010) - YouTube www.youtube.com 又もやの自主映画「きつねがはら」絡み…

ジェニーの肖像

★★★ 2023年11月20日(月) プラネットプラスワン 人気の高い映画で期待してたのだが、今の時代に尚ジャンルのオリジンとして突き抜けるなにものをも感じなかった。最早この手の題材は、本作の制作以降やり尽くされてきていて、始祖としての価値も揺らいでる…

ヴァレリー・ファリス Valerie Faris

生年:1958/10/20 kenironkun.hatenablog.com