男の痰壺

映画の感想中心です

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ナイト&デイ

★★★★★ 2012年1月7日(土) トビタシネマ 60年代ハリウッド製ロマンス・アクションの最良形での復刻であり、フランケンハイマーを彷彿とさせるアクション演出の重量感も好ましい。そして、白馬の王子願望の成就が行き遅れ感あるキャメロンにより成される現…

青春残酷物語

★★ 1983年12月17日(日) 伊丹ローズ劇場 体制的な全てを破壊し殉教するような覚悟はもとより論理性も見受けられず、美人局の挙げ句の痴話喧嘩では萎える。太陽族映画の理想的帰結が虚無的な『ろくでなし』であったとすればこれは虚しく自壊した変革願望。川又…

大盗賊

★★ 2020年11月7日(土) テアトル梅田1 賑々しい展開で、ベルモンドも明朗闊達なキャラを地でいくような弾み具合だ。 であるが、この男の本性がわかりません。 手癖の悪いおちゃらけ野郎として登場するのだが、盗賊団の親分にマージンとられて嫌気がさす。…

おもひでのしずく (2011年8月6日 (土))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 ノスタルジック・メランコリー 西加奈子の「こうふく あかの」を読んで、こいつは、ここ1年くらいに読んだ本ではダントツだと思い、出勤途中の地下鉄車内で読了した興奮も冷め遣らぬままに「この主人…

ヒミズ

★★★★★ 2012年1月14日(土) 梅田ブルク7シアター6 再生とか綺麗ごとの修辞ではなく自壊寸前の剥き身で再構築されよ若人よ…と言うことだろうし、でんでんや渡辺に仮託された未来を見据える親爺たれという園子温の時代感覚は圧倒的に正しい。坂道や池を配し…

48時間

★★★ 1983年11月12日(土) 阪急シネマ キャラの設定に過剰さが足りなく過不足なさすぎで物足りない。「白と黒」「重と軽」「暗と明」といった設定は使い回されたコンビネーションなのだから、満を持してのマーフィ登用なら更なる劇薬たり得てほしかった。ヒル…

空に住む

★★★★ 2020年10月29日(木) 大阪ステーションシティシネマ3 基本ダウナーな彼女が、映画の後半で、突如激しい感情を表出する。 一つ目は彼女が住むことになったハイタワーマンションのオーナーである叔父の嫁が、部屋に勝手に入ってくることへの怒り。 二つ…

おもひでのしずく (2011年7月6日 (水))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 行き着いた果てに 三池監督の次回作は「ONE PIECE」(YAPOO!ニュース) 先日「愛と誠」の製作が発表された三池崇史監督の次回作に、人気コミックス「ONE PIECE」が決定したと報…

猿の惑星 創世記

★★★ 2012年1月7日(土) 新世界国際劇場 猿のシーザーが施設で自我を確立するまでの展開は、『ジャングル大帝』から『トイ・ストーリー』に至る王道のトレースで悪くもないが、抗人類へと舵を切って以降は戦略無き場当たりで、局地戦な橋での勝利程度ではカ…

居酒屋兆治

★★★★ 1983年11月16日(水) 伊丹グリーン劇場 健さん&降旗タッグに前作まで見られた辟易のナルシズムが削ぎ落とされ、バカ丁寧な演出・カメラも何故か心地よい。随筆的な世界を形成する堅牢なファミリーに幾人かの異なる血の投入が効いたが、その最大のカンフ…

白昼の決闘

★★★★ 2020年11月1日(日) プラネットスタジオプラス1 これは、ある意味おったまげたと言っていいだろう。 デヴィッド・O・セルズニック、「風と共に去りぬ」「レベッカ」「第三の男」「終着駅」を手掛けた文字通りの不朽不滅の大プロデューサーであるが、…

おもひでのしずく (2011年6月25日 (土))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 親爺のパラダイス 「行かはったんですか?」「いや…なかなかなあ…勇気いるやろ、やっぱ」「…」「多分さあ、女子中生とか女子高生とかOLとかでいっぱいやと思うし、男なんて彼女にイヤイヤ連れて来ら…

ステキな金縛り

★★★★ 2012年1月14日(土) 大阪ステーションシティシネマ2 三谷の又かの50年代志向は相変わらずウンザリするし、外さぬ事を約束された配役も安寧に退屈だが、全く飽きもしないのは素直な中に若干の翳りを醸す深津絵里ちゃんが完璧に魅力的だから。そこだ…

ベリッシマ

★★★★★ 1983年12月22日(木) 伊丹グリーン劇場 思いこんだら視野狭窄に陥りひたすらに猪突猛進するが何時か気付いて一気に退いてしまう。しかし間をおけば又ぞろ同じ事を繰り返すだろう…そんな女の愛しき性を肉体と魂で叩き付けるアンナ・マニャーニが最高。ヴ…

とんかつDJアゲ太郎

★★★ 2020年10月31日(土) 梅田ブルク7シアター4 原作知らないし、DJになんの興味もない。クラブなんてのも行ったこともない。その昔、ディスコと呼ばれてたころは行ってましたが。敢えて言うならトンカツは好き。 そんなおいらが、度重なる関係者の不祥…

おもひでのしずく (2011年6月11日 (土))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 50歳の宴 或いは老いについて 「こらー!あほんだらボケ~」その鶴瓶に似た男は大声で叫びつつ俺のいるテーブルに近づいてきた。1ヶ月ほど前の日曜の昼過ぎ。梅田は芝田町の寿司レストランの2階席…

やくざ戦争 日本の首領

★★★ 2012年1月21日(土) 日劇会館 朴念仁佐分利と「仁義なき」面々とのジャンクション鶴田の任侠由来の安定感が圧倒的。その古女房市原との微妙なコラボも良く、一方で火野と絵夢が醸す四畳半ムードと似非『ゴッドファーザー』的臆面無さ。壮大な混沌だが所…

グッドラックLOVE

★★ 1982年1月5日(火) 伊丹グリーン劇場 本当はバカなのにシリーズでは何故か憂いを帯びた陰ある男キャラであった俊ちゃんを主役にして徒にしんねりむっつりしてるだけで面白くも何ともない。大体、ちょっと儲かればすぐに意味なくNYとかLAに行きたがる日…

呉越同舟 映画館で起こっている2、3の事柄

世間では「鬼滅の刃」のアンビリーバブルとも言えるエクストリームヒットがエブリデイ報じられていて、さすがの俺もいったいファッキン何事かと関心を向けざるを得ないのだが、何回か映画館で見た予告と先日より関テレで再放送されているテレビシリーズを見…

おもひでのしずく (2011年5月12日 (木))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 日本の縮図 「お飲み物は」「とりあえずビール、生で、大ある?うんじゃあ大」「はい、生大1丁!」「あと、ユッケね、大盛り…って言うか特盛り」「あの…お客様、申し訳ございませんが」「は?」「時…

哀しき獣

★★★★ 2012年1月14日(土) 梅田ブルク7シアター5 ラストで民族哀史とでも言うべき『ディア・ハンター』的構造に気付かされたりするが、メルヴィル的殺人顛末からローリングして『ターミネーター』的破綻に至る韓国シークェンスの力技。無謀と思える展開を…

マダム・スキャンダル 10秒死なせて

★ 1982年4月24日(土) ダイニチ伊丹 予算も内容的整合性も無いのに記念作だからと米ロケを売り物にという考え方がそもそも浅薄であり、熟女ブームに相乗りし元ピンクの女王をと言う発想も低廉だ。能天気に弾けてこそのみどり&西村でなかろうか…。10秒と言…

俺も引退します

言ってみてえー。 って何からって話で、俺の場合、せいぜいこの世からくらいしか思い浮かびません。 あーあって昨晩から100回くらいため息ついてます。 昨日、朝の7時から、いの一番で投票所に行ったらババーどもが反対にー反対にーとアホのひとつ覚えの…

おもひでのしずく (2011年4月23日 (土))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 スーちゃんとキャンディーズのこと スーちゃんが亡くなった。乳癌であったらしい。彼女の闘病をマスコミも一切知らなかったと言う。 1970年代。俺が中学生だった頃。おそらく、日本全国津々浦々の…

フライトナイト 恐怖の夜

★★★★ 2012年1月15日(日) MOVIXあまがさき8 大人悪ガキでマッチョな吸血鬼ファレルの押し出しパワーが序盤のルーティーンを打破し、中盤以降は砂漠の孤立ニュータウンと一本道で繋がる歓楽都市ベガスの距離感も展開に絶妙に寄与。テナントの胡散臭さ…

セーラー服と機関銃

★★★ 1982年1月5日(火) トーエイ伊丹 「暴走族」と「屋上」の長回しが意味不明で物語に寄与せぬことで突出し、少女の女への成長譚解釈が正反な赤川と相米のギクシャクした相克の表出。それが一種青春の痛々しさへと転じる幸運。三國の怪演がリードする後半の…