男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【ほ】

ホットギミック ガールミーツボーイ

★★★★★ 2019年7月3日(水) 梅田ブルク7シアター5 地味でクラスでも目立たないな女の子が、イケメンモデル少年と秀才ドS少年と、さらに血のつながらないマジメ系兄貴からも想われて、あっちいったりこっちいったりのフラフラ行脚。 まさに、少女コミックや…

ホワイトハウス・ダウン

★★ 2014年2月5日(水) トビタシネマ 戦争しなけりゃ衰亡する国という自覚が無いから、こういう今更の対立構図が出てくる。久々に「やっちまったなエメリッヒ」という感じ。目くるめく使い古しネタのオンパレに萎えていく俺は少女の星条旗の馬鹿馬鹿しいまで…

ほとりの朔子

★★★★★ 2014年2月23日(日) シネヌーヴォ 受験少女の感傷バカンスに片寄するほど暇でなく、擬似ロメールめいた寂れた浜辺の無為な会話も左程成功してるとも思えぬのだが、仮初の言葉に隠された本音や余裕の下の切実や衝動が静かに立ち昇り健全な肢体が闇と対…

日本の熱い日々 謀殺・下山事件

★★★★ 1981年10月8日(木) 伊丹ローズ劇場 所詮は痒いところに届かないものを仲代得意の目力演技でバカ熱く語る虚しさは拭い難いし、証人が次々消されていくのは『日本列島』と同工異曲だ。ただ、随所に忘れ難いイメージが頻出する。米軍ヘリから突き落とされ…

冒険者カミカゼ

★★ 1981年11月8日(日) トーエイ伊丹 モラトリアム時代を牽引した秋吉も筋肉バカ師弟の強力タッグの狭間では添え物的存在になるしかなかった。天然勘違いのもとでオリジナルにあった哀感は完全消失し、覆い切れない熱血血潮が半端に残留。勘違いなりに振り切…

ズームイン 暴行団地

★★ 1981年10月22日(木) 関西学院大学学生会館大ホール 映画を撮る方途に多様な道筋が出来てきた80年代に黴た清順的アプローチでデビューを飾ってしまった遅れた「にっかつ」組黒沢直輔の気の毒な錯誤感がモロに出た。ポリシーがあればまだしもだが低予算の…

北斎漫画

★★★★ 1981年12月21日(月) 伊丹ローズ劇場 本当に爽快で気持ちいい。出てくる者皆ひたすらに生一本で迷うこと無く大らかだが実はその道に一家言持つ歴史に名を成すプロ揃い。それを演じる役者も皆芝居をエンジョイし切ってる。そうであれば老けメイクやタコ装…

香港国際警察 NEW POLICE STORY

★★★ 2014年5月24日(土) トビタシネマ バーチャルオタクなクソガキどもに遣られっ放しのジャッキーという物語構図からして迎合的で自虐的だ。もはや、能天気でいられないにしても、アナログでリアルな痛みを知る彼が演るべき役とも思えない。そもそも、体技…

ぼくたちの家族

★★★★★ 2014年5月28日(水) 大阪ステーションシティシネマ8 絶望的にアウトな状況となった長男が自問し打破するドラマを石井は与えずに弟のセカンドオピニオン巡りの作劇にかわすのだが、絶妙だ。それだから2人のパブシーンの兄のキャバ嬢へのメール話が効…

北海は死海

★★ 1980年11月2日(日) 関西学院大学第4別館309号室 清涼感に富む爽やかな映画ではあるが、ローバジェットのNHK教育TVでやってた児童劇映画みたいな感触で歯ごたえに欠ける。救われない現実からの逃避の果てに何ものも見出せないというのがリアルだ…

暴力教室

★★ 2014年6月26日(水) トビタ東映 鯛焼きちょろまかして粋がる不良クールスの面々に激しく萎えるし、トレーナーでチャリ漕ぐ優作もけっこうマジメだったりする。で色々あるのだが、最後は日本刀振り回す学校理事長安部徹ってまんま「残侠伝」世界に逆行。…

ボヘミアン・ラプソディ

★★★★ 2018年11月9日(金) 梅田ブルク7シアター1 クイーンにそれほど興味を持ったことはない。 俺が10代のころ、彼らに対して勝手にもっていたイメージは女子に人気のバンド。 まあ、ベイシティ・ローラーズとかそんな類ってもんだろってな感じであった…

幌馬車

★★★★ 2018年9月16日(日) プラネットスタジオプラスワン ジョン・フォードが自作で1番気に入ってると言ったとかっていうことだ。 それにしては、単線構造の小品なのだが、確かにエキスの結晶のようなもんとも言える。 主演の2人が出会うのが、 モルモン教…

北陸代理戦争

★★★ 1980年9月27日(土) 毎日ホール やたらテンポが良く飽きはしないものの、北陸の田舎やくざの寂寥感がうら寂しさを横溢させ、ルーチーンが退廃へと突き抜けることもないままジャンルの末期感が漂う。山守が分化したような西村・ハナ2枚が定型演技で緊張感…

ロジャー・ムーア 冒険野郎

★★ 1979年4月29日(日) ダイニチ伊丹 あくまで悪者はドイツで象牙の密猟してても米英サイドなら良しとされるらしい。黒塗りの黒人扮装を含めて地雷コード踏みまくりだがそういう時代だった。C調なムーアと飄然としたマービンのコンビがそれなりに苛烈で過酷…

ホーンズ 容疑者と告白の角

★★★★ 2015年8月11日(火) 新世界国際劇場 ブラックコメディ的体裁だが、そのシニカルで人間不信の塊みたいな展開の果てから俄かに沸き上がった純正ロマンティシズムに不意打ちされる。出色の構成だし細部のギャグも冴えている。越境の果ての終盤の呵責の無…

炎の肖像

★★★ 1977年6月5日(日) 東梅田シネマ ろくすぽストーリーを構築する気もなくでっちあげたシラケ&ド艶歌紋様だが、関わり合う男も女もロックスターのステージの裏側の空虚な孤独を浮き上がらせる為に意味不明の記号として配置されたのがいっそ心地良い前衛加…

サンダカン八番娼館 望郷

★★★ 1977年5月29日(日) SABホール リアリズムな田中絹代の現代のシーンと旧態としたスタジオドラマの過去ボルネオのシーンにギャップあり過ぎ。見た目以上に高橋洋子の本質が違うのだから連関を印象付ける演出は不可欠だった。栗原小巻が全くの不要牌だっ…

ボクサー

★★★ 1977年10月2日(日) トーエイ伊丹 絶妙にクールな因縁関係の師弟を設定し程良い前衛を交えて過不足無い展開を見せるのだが文太のやさぐれ感はともかく天井桟敷による又かの市井の人々が過剰であり、又具志堅等の本物を出してしまったのが否応なく虚構を浮…

ボディ・スナッチャー 恐怖の街

★★★★ 2016年6月7月2日(土) プラネットスタジオプラス1 釈然としない入れ替わりシステムだが気にする間もない簡潔なテンポ。難を逃れた翌朝の街の広場の俯瞰ショットが良い。ロングのみのワンショットの長回しが街の変容を怜悧に映し出す。総じてマスの人…