男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【や】

約束のネバーランド

★★★ 2020年12月26日(土) 大阪ステーションシティシネマ9 金髪のヅラかぶったジャパニーズ少年少女がエマとかノーマンとか呼び合う世界に激しく拒否反応を覚えそうであったのだが、北川景子と浜辺美波に釣られて気づいたら映画館に座っていました。 【以下…

野獣の青春

★★★★ 2011年9月17日(土) 高槻セレクトシネマ1 歪な意匠に拘泥しないプログラムピクチャーの語り部としての清順演出は、ド変態が五月雨的に登場し次々と人が死ぬ異様な展開の中でも崩れない。舛田利雄的安定と石井輝男的不均衡のフュージョン。微妙な味わ…

弥太郎笠

★★★★★ 2011年11月26日(土) 日劇会館 ダイジェスト感は拭えないものの、明朗で真摯な錦之助キャラが十全に炸裂し終始快感神経が心地よく刺激される。マキノ演出も闊達で流麗。丘との再会の場では溜めの効き具合に惚れ惚れ。東や千秋らが要所で絡む按配も粋…

不良番長 やらずぶったくり

★★★ 2011年11月26日(土) 日劇会館 お嬢学園の良家の子女も口八丁手八丁で瞬く間にスッポンッポンのオッパイ丸出しにされてしまうあたり不良番長も憎めないのであるが、ド田舎舞台の間延びしたユルさが締りない。乱闘でのマグロ攻撃程度の寒さでは足りない…

聯合艦隊司令長官 山本五十六

★★★ 2011年12月23日(金) 梅田ブルク7シアター1 真珠湾までは五十六語録もロジカルだし、現在進行形の日本の合わせ鏡として意識され尽くした拘りにも同意する。しかし、ミッドウェイ以降に「どうすべきか」の返答は結局無く諦めの挽歌として閉じるしかな…

やくざ戦争 日本の首領

★★★ 2012年1月21日(土) 日劇会館 朴念仁佐分利と「仁義なき」面々とのジャンクション鶴田の任侠由来の安定感が圧倒的。その古女房市原との微妙なコラボも良く、一方で火野と絵夢が醸す四畳半ムードと似非『ゴッドファーザー』的臆面無さ。壮大な混沌だが所…

やさぐれ姐御伝 総括リンチ

★★★ 2020年8月23日(日) 新世界東映 シネスケで評価が異様に高いので、相当に振り切れたものを期待してたのだが、そうでもなかった。「不良姐御伝 猪の鹿お蝶」なる映画のシリーズ2作目だそう。 女侠映画のエロバージョン的な制作意図なんだろうが、それで…

破れ太鼓

★★ 1982年9月16日(木) 池田中央第一劇場 頑固な旧世代親爺に殊更の異論は無いし阪妻も当たり前に良い。しかし、相変わらず子世代に全く共感を覚えられないのは何故なのか?時代感覚が無いとかのレベルでなく、やっぱ木下は本質的にずれてるとしか思えない。…

やがて哀しき復讐者

★★★★ 2013年6月24日(月) トビタシネマ 傲慢でイケ好かない親爺とパープー娘がどうなっても知ったこっちゃないが、そんな親子に粛々と仕えるリッチー・レンの佇まいが粋。過剰なセンチやプロットの安さはあるが、開発担当の部下やシングルマザーの内通者や…

野蛮なやつら SAVAGES

★★★ 2013年10月12日(土) 新世界国際劇場 どうにもオリバー・ストーンの中腰スタンスが半端で乗り切れない。『Uターン』の頃と変わってない生温さ。野蛮は狂気にクソはど腐れに昇華しきれない。半チクヤッピーギャングが痛い目に合いそで合わない生半可で…

殺られる

★★★ 2019年1月20日(日) シネヌーヴォ 前置きなしで、いきなり渦中に投げ込まれる。 そういう意味でタイトな作りである。 冒頭で「フランスでは年間で数千人の処女が失踪する」みたいなテロップが流れる。 で、夜な夜な遊びに出かける恋人をつけた彼氏が巻…

ヤング・ゼネレーション

★★★★ 1980年8月5日(火) ビック映劇 鬱屈しまくっているが反逆もできない。身の丈を弁え親のことは一応尊敬もする。そんな彼等がダラに過ぎゆく日々の中で辛うじて見つけた正念場。そういう細やかな一局面にドラマが見出されたこと。大多数の埋没し行く人生の…

殺る女

★★★ 2018年11月17日(土) 大阪ステーションシティシネマ12 女殺し屋主演のアクション映画としてはてんで駄目である。 屋上からのスナイプ。 高級娼婦に化けて潜入接触。 ウェイトレスに変装してターゲット待ち伏せ。 ありきたりな借り物臭。 部屋は最小限…

江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者

★★★ 1980年10月1日(水) 毎日ホール 変態は嫌いではないが、視姦者と被姦者の間の屈折した共犯意識が妄想世界で充足してる間は良くとも、現実殺人に至らざるを得ない乱歩の枷が寧ろ邪魔。宮下の貴婦人も柄じゃない。だが、全てを無に帰す大震災が低予算ながら…

焼肉ドラゴン

★★★★ 2018年6月28日(木) TOHOシネマズ梅田9 あの親爺にあの女房で… 美人すぎるやろ!3姉妹 ってお互いの連れ子やったんやな…あり得るか…ってあり得んやろ、やっぱ。 冒頭の井上真央の啖呵の切れに驚いた。 いやあ、極妻リブートするなら、主演、絶対…

闇・光・闇

★★★ 2015年3月28日(土) シネヌーヴォ 単にアイデアと展開の綾があるだけで何の寓意もないようだ。それだけに破綻がなく安定感は突出している。が、だから?と思えたりもする。舌や脳味噌のズルリとした質感は相変わらず攻撃的。オチはギャフンを通り越し物…

山の音

★★★ 2015年5月17日 シネヌーヴォ 上原の下衆ぶりに呵責が無く冷徹な視線は透徹されてるのだが、反する2人の感情ベクトルが嫁不憫・義父優しいの域を出ないので生煮えである。その奥底のマグマを対置的に照射すべき山麓の静謐が演出的にこなれていない。際ど…

やさしい女

★★★★ 2015年6月9日(火) シネリーブル梅田1 女ってのはわけわからんという詠嘆を醒めた諦観で語るのと、現在進行形のパリの景観が関係性の怜悧を抱擁するかのような柔らかな情緒を帯びる点で『白夜』と好対を為す。しかも結局の底意は不寛容であり、そこは…

野生の証明

★★★ 1979年4月2日(金) 伊丹ローズ劇場 ひろ子にガン無視されて不憫でさえある健さんだが斧振り回し脳天叩き割る蛮性と寡黙な礼節とのアンビバレンツが笑える。自衛隊特殊部隊と地方都市のフィクサーと予知能力を持つ少女…出鱈目で過剰で魅力的な設定だが全て…

夜叉ヶ池

★★★ 1979年11月17日(土) ダイニチ伊丹 冒頭の大干魃とラストの大洪水を海外ロケで強引に繋ぐ映画的一大ハッタリズムは良しとしても魔界の装置が舞台の呪縛に囚われている。何より玉三郎が白雪姫は兎も角、生身の女を演じることに致命的な無理があるのに約束…

野性の少年

★★★★★ 2017年9月18日(月) プラネットスタジオプラス1 産まれてこの方、社会的関係性を断絶された少年の関係性を回復させる試みという点で「奇跡の人」と相似。 なのだが、スパルタのサリバンに対しイタール博士のやり方は冷静で実直で慈愛にあふれる。 い…

ヤング・フランケンシュタイン

★★★★★ 1978年12月26日(火) 大毎地下劇場 1980年9月16日(火) 毎日文化ホール 相当な下ネタ的ギャグで彩られたパロディが、品格あるモノクロ撮影と元ネタのポイントを的確に押さえた構成で神懸かり的な域に達している。ブルックス一家の面々のコラボにカメオも…

屋根の上のバイオリン弾き

★★★★★ 1977年4月17日(水) 大毎地下劇場 1977年7月24日(日) 元映 伝統賛歌で開巻した物語だが、娘の結婚の度に選択を強いられるトポルの劇画チックな心理描写。それは概ね近代的。その保守と変革と歓喜と悲嘆がロビンス舞踏と名曲「サンライズ・サンセット」…

八つ墓村

★★ 1977年10月30日(日) ダイニチ伊丹 70年代に於ける現在形の日常から戦国時代の因襲引きずる閉ざされた村の非日常へと、そのコントラストを際立たせる為のショーケン起用であり又スプラッターな殺戮描写だったのだろうが…巧くない。洞窟探しばかりして気…