★★★ 2020年12月26日(土) 大阪ステーションシティシネマ9
金髪のヅラかぶったジャパニーズ少年少女がエマとかノーマンとか呼び合う世界に激しく拒否反応を覚えそうであったのだが、北川景子と浜辺美波に釣られて気づいたら映画館に座っていました。
【以下ネタバレです】
開巻まもなくして「鬼」が登場するのだが、おかげで何でもありなんやと納得して、こっ恥ずかしさは減衰した。我ながら順応性高いと思います。
まあ、全般に「わたしを離さないで」の変奏と言っていいだろう。臓器提供体として生きさせられる彼ら彼女らが、そのことを知ってるのに対して、本作の少年少女は食材である我が真実を知らない。
で、そのことを知ることが、前半のドラマを牽引する。そして、知ったあとは脱出行となります。
この後半の展開に鬼が介入してこない。ドラマは少年少女VS北川に収斂していく。構築された世界の片隅で展開する感は否めない。でも、それが分を弁えてる感じがします。
結局、この映画の見どころは浜辺美波の根っからの前向き陽性オーラだけのような気がする。そこだけは胡散臭い物語の唯一の真実であるような気がします。
壮大な背景の片隅だけで展開し予定調和以外の何物も見出せぬが、分を弁えた作りで破綻を免れ金髪ヅラのジャパニーズ少年少女たちがエマだのノーマンだの呼び合う胡散臭さも了承。この世界ゆえ成立する桧吏のヘタウマだが美波の陽性オーラが補完する。(cinemascape)