男の痰壺

映画の感想中心です

君の膵臓をたべたい

★★★ 2017年8月3日(木) TOHOシネマズ梅田1
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設定が、以前見た「僕らのごはんは明日で待ってる」と似ている。
 
自分の殻に閉じこもってる中二病的・オタッキー的男子が、どういうわけだかしらんが明るくて可愛い女子から猛アタックされモテモテになるという点と、その女子が病気になるという点で、これは、内向的女子が陥った一昔前の白馬の王子様願望の極めて現代的裏返しに思える。
 
こんな話が跋扈すれば、ただでさえ低下している婚姻率がますます低下しちまいそうだ。
 
はっきり言うが、そんな御伽噺は金輪際おこりませんよ…現実世界では。
待ってたって永久に彼女はできないのである。
 
映画は、見事に糞詰まり的展開で、彼女の猛アタックで嫌々ながらデートを重ね、挙句に一泊旅行で博多に行って高級ホテルに泊まり手違いだかなんだか知らんが同室になってしまってダブルベッドで一夜を過ごす。
で、…なーんにもしないのであった。彼は。
こんな希薄な関係では、何年後かに思い起こす彼女のメモリーったって薄ーいのだ。
 
えっ?何?泣けなかったのかって?
そりゃあ、泣きましたよ。手紙の件では思わず嗚咽しそうになりました。
でも、それって、この胡散臭い話を唯1人で背負って真実味を付与した浜辺美波ちゃんのおかげですわ。
 
ああ…あんな子が息子の嫁にきてほしいわあ。
 
あと、そもそも、この映画、北川景子ちゃん目当てで見たんですが、こんな損な役、よう受けたなあ思う。
でも、彼女も目いっぱい頑張ってました。
号泣のあと、手のひら返してのドSチックリアクションは彼女ならではです。
 
一昔前の奥手女子が陥った白馬の王子願望の極めて現代的裏返しで、据膳喰わぬも当たり前では悦に入ってみても内実は妄想に留まる。それでも胡散臭い話を唯1人で背負う美波ちゃんは辛うじて映画の誠。損な役回りに甘んじた景子も又ある意味誠である。(cinemascape)