★★★ 2020年8月23日(日) 新世界東映
シネスケで評価が異様に高いので、相当に振り切れたものを期待してたのだが、そうでもなかった。「不良姐御伝 猪の鹿お蝶」なる映画のシリーズ2作目だそう。
女侠映画のエロバージョン的な制作意図なんだろうが、それでも悪役親分に安部徹、良心派親分にアラカンと一応体裁は誂えております。
いったい何が起こんのかなあーな前半は興味は持続する。特に驚くほど充実したオープンセットとエキストラの潤沢さには驚かされた。
でも、結局は麻薬がらみの謀略とそれに絡んだあれやこれやに収斂してしまう物語には大した刺激はなかった。正直ダルかった。
ときに加藤泰かよというような異様に形式主義的に耽美なショットがある。それも前半に集中している。後半は展開の流れに演出は従属している。
冒頭、旅先でいきなり拉致拷問されるお蝶が逃げ出し彷徨うドヤ街の立体的でセットやエキストラの多さに期待は高まるが、結局は女侠ジャンルの廉価版にとどまる。三つ巴に雪崩れ込むドラマトゥルギーの欠如。或いは女の秘部でというならもっと見せろって話だ。(cinemascape)