男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【れ】

悪魔の教団 レッド・モンクス

★★ 1991年4月6日(土) 新世界国際劇場 不必要な残虐趣味は好みではないが、こうも何も無いと厳しいものがある。とにかく見せ場が無いうえに捏ねくり回した意味不明の展開でついていく気力も失せる。あとは、ひたすらにララ・ウェンデル嬢を見続けるしかない。…

レナードの朝

★★★★ 1991年7月7日(日) 祇園会館 2人の役者の演技は各々の芸風を誇示するのみで相乗効果とまでは言いがたいし、展開も余りに平易なのだが、この映画を包む女性監督らしい慈愛に充ちた優しさには素直に打たれる。やっぱり女は優しさが無いといかんと思う。(c…

レンブラントの夜警

★★★ 2008年3月8日(土) テアトル梅田1 グリーナウェイは市警団内部の腐敗をこそ踏み込んで描くべきで、その中での禍々しいまでのハッタリズムをこそ見たかった。こうもレンブラントのキャラが凡庸ではフルチン羅列如きでは何の足しにもならない。残念なが…

レディ!レディ

★★ 1990年2月4日(日) セントラル劇場 「キャリアウーマン」と「ハチャメチャ娘」という設定がシテュエーションコメディの為の方便に過ぎず属性の上辺をなぞるだけで浅薄そのものだ。大体、桃井と薬師丸の配役はどう考えても逆で双方ともに柄じゃない。マニュ…

レッドクリフ Part1

★★★ 2008年12月27日(土) TOHOシネマズ梅田5 ほとんどなぶり殺しに近い戦法で敵を包囲した上で「やー我こそは」てな感じで猛将たちが次々登場。何かずるい感じで熱くなれない。オーバーラップやスローモーション等原理主義的手法を衒い無く使いまくら…

恋恋風塵

★★★★★ 1990年9月1日(土) 京都コマゴールド 劇的な何事もないのに充ち満ちる郷愁。計算も多少はあるのだろうが清冽な映像は見たことのない域に達している。野外上映のスクリーンに代表されるストーリーと直に連携しない風景のフレームの切り方が巧く、そうい…

レディ・ハード 香港大捜査線

★★★★ 1990年7月29日(日) 新世界国際 ミシェールは『ポリス・ストーリー』や『007』みたいな半歩退いた立場所で魅力を発揮する。それは猪木の陰で女を磨いた倍賞美津子をさえ思わせる。ピンでは華に欠けるが、ほぼ均衡するラスロックの力量が安定したバラ…

レスラー

★★★★ 2009年7月1日(水) シネリーブル梅田2 娘との絡みなど舌足らずだし展開もお約束通りでドラマ深度は疑問だが、殆ど関係ないとさえ思える。ミッキー・ロークの顔と肉体が語るものの前では。バストショットでドキュメンタルに彼を追うカメラ。その演出に…

レッドクリフ PARTⅡ 未来への最終決戦

★★★ 2009年10月14日(土) トビタシネマ こうまでプラスチックでベニヤ細工の模造品を作ったジョン・ウーに或る意味尊敬の念を禁じ得ない。天気任せの戦略と勘違い女の意味無し投降と兵を退いたヘタレの葛藤無き翻意。熱くなりようもない世界ならせめて鳩出…

レベッカ

★★★ 1986年2月22日(土) 梅田東映ホール ヒッチとしてはストーリーに従属してる感があるが、それだけ原作の趣向は確固たるものだった。マンダレイの美術と家政婦アンダーソンの死者への隷属。ポイントさえ押さえれば映画は成立する。ただ、フォンテーンの儚い…

歴史は夜作られる

★★★ 2021年1月11日(月) プラネットスタジオプラス1 夫婦や恋人といった男と女の間には、たいてい2人にだけしかウケないパーソナルな思い出みたいなのがあって、映画はそこらへんを具体的に且つロマンチックに造形・創出することでご婦人方のハートを鷲掴…

レインマン

★★★ 2011年5月7日(土) TOHOシネマズ梅田10 疾走する車から見る架橋の光の燦ざめきどまりの娑婆感覚。場当たりなカジノシーンでしか活きない天才設定。投げ棄てられたビジネスの苦境。杜撰な構成が無理矢理お涙で隠匿されそうな不快感。ただ、こんな…

聯合艦隊司令長官 山本五十六

★★★ 2011年12月23日(金) 梅田ブルク7シアター1 真珠湾までは五十六語録もロジカルだし、現在進行形の日本の合わせ鏡として意識され尽くした拘りにも同意する。しかし、ミッドウェイ以降に「どうすべきか」の返答は結局無く諦めの挽歌として閉じるしかな…

レイダース 失われたアーク〈聖櫃〉

★★★★ 1982年1月7日(木) 北野劇場 冒頭アマゾン密林で見せるインディの鞭捌きのシャープネスがキャラ確立した時点で映画は勝利した。張ボテ岩石はじめ廉価装置は矢継ぎ早戦法で粉飾される。エログロや時代のロマンティシズムや深遠な懊悩に背を向け一気に駆け…

レッズ

★★★★ 1982年5月10日(月) 梅田グランド リーン映画のようなロマンティシズムは希薄だが、2年をかけストラーロと行脚した実インタビューを起点とする意外な腰の据わり方やニコルソンやハックマン等ニューシネマ人脈の参画等ベイティプロデュース力が米映画の…

レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳

★★★ 2012年5月12日(土) トビタシネマ 日本人の悪玉憎しのベクトルが今いち明晰ではなく無駄に寄り道するので盛り上がらないこと甚だしい。ドニーは変装ネタにせよ白の武道衣にせよリスペクトバリバリだが、ラストの死闘を含めしなくていい比較感がよぎる。…

レイニーデイ・イン・ニューヨーク

★★★★★ 2020年7月5日(日) MOVIXあまがさき6 撮影がヴィットリオ・ストラーロに代わってからの「カフェ・ソサエティ」と「女と男の観覧車」に何となく違和感を感じて、演出意図と撮影戦略が噛み合ってないような印象で、なんで撮影者変えたん、と思っ…

レッド・ライト

★★★★ 2013年2月23日(土) TOHOシネマズ梅田5 閉じた世界での刹那な人間関係の救われなさ。そういうマイナー領域に目線を向けるコルテスは全く好ましい。切ない情感が否応無くダダ漏れ来るウィーバー軸の前半に比し、後半のデ・ニーロは軸を転換させて…

恋恋豆花

★★★ 2020年3月27日(金) シネリーブル梅田4 モトローラ世理奈を「風の電話」で見て、その死んだ魚のような眼差しに、これは演技なのか、ほんとうはニコヤカな年相応な表情をするんやろか。てな興味を持ったのだが、またもや死んだ魚で出てきた。 世の中の…

レ・ミゼラブル

★★★★ 2020年3月22日(日) シネリーブル梅田2 暴走する悪ガキどもを描いて「シティ・オブ・ゴッド」が惹句で準えられるが、実弾やナイフが使われ人も死ぬあれに比べて、投石や花火攻撃なのが、まあぬるい気もするが、いや待てこれがリアリズムちゃうんかと…

Red

★★★★★ 2020年2月27日(木) 梅田ブルク7シアター2 真冬の夜。降りしきる雪の東北の道を走る車。 思いつめた女と男。ラジオから流れるジェフ・バックリー「ハレルヤ」。 ムーディであります。これでもかってくらいに。 このシークェンスの画がここまででき…

レイジング・ブル

★★★★★ 1981年2月11日(水) 新聞会館大劇場 スコセッシの褪色への、デ・ニーロの外形変化への、チャップマンのオリジナルなファイトシーンへのといった偏執的な拘りが偏執的な男の物語を加速させる。息苦し過ぎな男達の妄執の錯綜を18歳のモリアーティが一…

レイズ・ザ・タイタニック

★★ 1981年5月5日(火) 伊丹ローズ劇場 全てはタイタニック引き揚げシーンに収斂すると言うより、そこだけ押さえとけば良しというかの如き地味つまらなさで、ロマンティシズムはもとより諜報戦や工作員の哀感など欠片も見受けられない。華ない役者陣の中ジェ…

連合艦隊

★ 1981年8月9日(日) 伊丹グリーン劇場 巨視的なタイトルの割にはミクロな家族と許嫁との物語に大半をさき、皆冷静に反戦思想を皆持ったりしている。戦時に於いてのファナティックな狂気を描かずしては真の反戦も描けない。一方カタルシスも全くない。使い回…

レ・ブロンゼ スキーに行く

★ 1980年11月30日(日) 梅田東映ホール ドリフや欽ちゃんや吉本新喜劇を全く何の基礎知識ももたずに見て面白いかということで、喜劇・笑劇とはその拠って立つ社会的連続性の中でしか意味を成さない。続編ということもあり、全く馴染めぬ連中が繰り返す余りに…

レッド・ファミリー

★★★★ 2014年11月6日(木) テアトル梅田2 南の物質文化に感化されるパターンの米国的価値基準に転びそうになりつつ寸でのとこで躱す繰り返しなのだが、やがて、腐れ嫁基準で回る南のダメファミリーさえ一生見果てぬ羨望であることの北の現実を思い知る。温…

0.5ミリ

★★★★ 2014年12月20日(土) テアトル梅田2 内輪映画的安寧がシネフィル的偏狭を微塵も感じさせない親爺譲りの大味作風を桃子に獲得させたのか。一見ダラな散文紀行が叙事詩のような巨大感を醸し出す…かのように見える。いっその事、物語の回収やトリックス…

レディ・プレイヤー1

★★★ 2018年4月29日(日) MOVIXあまがさき9 80年代のサブカルへの郷愁など無い!と言い切る気はないが、俺の見たいもんは、このVR世界には無い。 よって、物語のみが抽出される。 格差が更なる拡大を遂げた世界で貧民どもはシコシコとゲームに精出…

レッド・スパロー

★★★★ 2018年4月3日(火) TOHOシネマズ梅田4 【ネタバレあります】 女スパイに養成されるってことで、「ニキータ」の亜流みたいなもんかという予断。 あるいはパツキン美女の諜報員ってことで、「アトミック・ブロンド」の類似品かという懸念。 ジェニ…

レヴェナント 蘇りし者

★★★★★ 2016年5月7日(土) 大阪ステーションシティシネマ10 復讐を描いてるのだが、それは終盤にしか機能しない。彼が臨死からほうほうの体で生還するのは根源的な生存本能に依り、人間はそうやって種を維持してきたのだという節理を描く。過酷な自然は牙…