男の痰壺

映画の感想中心です

アビゲイル

★★★★ 2024年9月21日(土) TOHOシネマズ梅田5

少女バレリーナが吸血鬼、って聞いても何の食指も動きませんでしたが、時間が合うのがこれしかなく已む無く見ました。だけど予想外に快作だった。

と言っても目新しい設定があるわけではない。何人かの男女が屋敷に閉じ込められて、1人又1人と少女吸血鬼の餌食になっていくってだけです。

 

互いに出自を知らない者同士が閉じ込められて何だかんだで主人公の女性がプロファイルして各人が何者かを当てていく。そんなんやってる場合かよとの思いが逆にサスペンスを醸造していく。

この設定が終盤に少女吸血鬼と彼女の対峙で活かされていく。怪物に自分がプロファイルされて深層心理のトラウマが暴かれるのが「羊たちの沈黙」廉価版みたいで悪くない。

 

スプラッターとしてのゴア描写が即物的で過剰なのもいい。心理的にジワジワくるんじゃなくてドカーンとやり過ぎでくるので笑うしかないんです。人体破壊で浴びた返り血に内臓片が混じってるとか作り手の誠意を感じますなー。

アビゲイル役の少女も根性悪そーな面構えで実ーにナイスである。