★★★ 2019年9月17日(火) TOHOシネマズ梅田10
起業家の話だそな。って時点で全然見る気がおきない。
今、若いもんにとって企業って、どういうイメージなのかといえば、ITとコンサル系なのであって、もの作って売るってイメージではないんですなあ。
この映画でもベンチャーキャピタルの若手の女の子とアプリとか作ってる大学生の女の子が主役です。
でも、それって仲介する業態であって、仲介される業態が無ければ成立しない。人材派遣もやまほどあるんだけど、同じだと思う。
映画のなかで、山本耕史が演ってるベンチャーキャピタルの社長が言う。
もう、この業態は飽和してパンクするだろうって。
えっ?わかってんじゃんって思った。
じゃあ、なんで見たのかっていうと、主演の2人のカップリングに尽きる。
上白石萌音と山崎紘菜なんですけど、まあ言っちゃなんだが、この2人でよう映画作ったよなって思う。事程左様にクスぶってる2人であります。
萌音ちゃんは「溺れるナイフ」では小松菜奈の横で「ちはやふる」では広瀬すずの横でクスぶってるような役しか演ってません。
紘菜ちゃんはTOHOシネマズの番宣ナビゲーションみたいなのしか記憶にありません。あと、最近の大林映画に多少使われてはおりますが。
でも、たぶん全くの想像だが、性格は2人とも良いと思うんですなあ。いい嫁さんになりそう。息子の嫁にはこんな子がええわあ。
とか、果てしなく思い込みと妄想が肥大して、俺は映画館に足を運んだのであった。
映画は、まあ一応は水準作だとは思う。
でも、ひっかかるのは萌音ちゃんの役作りであって、強烈な躁と鬱を往還するのだが、これが自閉症とかを連想させる。
「もう、絶対に裏切られたくない」って台詞を何度か言うのだが、結局それは回収されることはない。そのへん、映画は逃げてるような気がする。
クライマックスで保育園向けの事務効率アプリを開発して、現場の保育士たちを集めてプレゼンする。映画としても最大の正念場なんですけど、これじゃあアカンやろと思った。あざとすぎるので、聴衆に見透かされそうだ。
厳しいことばかり書いてるようだが、大熱演の彼女には敢闘賞をあげたいと思いました。紘菜も受けのポジションで感情を十二分に発露して従来の棒立ち女のイメージを一新したと思う。
今後の2人のご活躍を祈願しております。いや本当です。
自閉症キャラの萌音に振り回される紘菜のテンテコ舞いも所詮ITバブルの川下での飯事に過ぎないし再生の為のたうつ煩悶も温い。どうせならアプリ開発やVCの纏いを棄て実業回帰のドンテン周回をこそだ。折角の凸凹なのに身長差も生かし切れてない。(cinemascape)