★★ 2020年2月13日(木) TOHOシネマズ梅田5
なんだか、チュウボーが学校で教わったヒトラーユーゲントやゲシュタポや「アンネの日記」とかのネタを組み合わせて作って、ビートルズやらボウイやらをバックに流してイカスじゃんみたいな小賢しさを感じてしまった。
なにも、深刻に扱うべき題材というつもりもないし、全然こういうコンセプトはいいんだが、であればこその何がしかの新たな真実なり歴史の見方の逆転的発想なりをもってきてほしい。正直言って目新しい見方は皆無で陳腐だ。
ジョジョの両親が反ナチの活動家らしいが、母親のスカヨハが日々出かけて、アジビラ撒いてるだけかよって話で、その程度のことしかしてないんじゃ、ああいう顛末になっても浮かばれんじゃん。
訓練で戦闘中に敵を殺せるかって話で、じゃあ、殺してみせろ!って可愛いウサちゃんをもってくるのだが、ユダヤ人をゴミのように殺戮した時代やんか。ウサちゃんはないよなって話なのだ。
まあ、役者は良かった。
「スリー・ビルボード」をきっかけにして一気にステイタスがワンランク上がった感のあるサム・ロックウェルが好演。
主役ジョジョの少年だが、終盤では少年っぽさが抜けて男の面構えっぽくなる。いい役者になるかもしれない。
目あてのスカヨハは可もなし不可もなし程度でした。
表層的なネタを並べて構築された物語のなかで、価値観を転倒させるのに悶絶するような懊悩が無いまま死んだと聞いて脳内ヒトラー消えちまえっていうガキ思考と作り手が同じ土俵にいるように見える。戦後民主主義を自らの手で勝ち取ってない我々の合わせ鏡だ。(cinemascape)