★★★ 2020年7月16日(木) 梅田ブルク7シアター3
シネコンでこれと「シンデレラ」と1100円でやってて、せっかくやからどっちか見とこと思いました。俺としては下克上物語のシンデレラに惹かれるところやったんですが、監督のケネス・ブラナーにビタいち期待できないのでこっち見ました。
アニメ版はみてません。昔のジャン・コクトーの映画は見たけどあんまり覚えてません。
ミュージカルだということも知らんかったので、村中総出の最初のナンバーの大掛かりなのに意表を突かれた。期待値が急上昇しました。
その後、酒場でのナンバーも良く、佳境は囚われの身となったベルを食卓に招いての燭台や古時計やらが繰り広げるナンバーで、グルーヴ感は半端ない。
半端ないけど、よくよく考えてみたら、このシーンってほぼオールCGですわな。そこが一番って実写版のありがたみを自己否定してるようなもんだ。なんだかなーと思います。
まあ、こういう映画はお約束の展開を如何に見せるかが身上っすから、悪くないじゃんと思いましたが、終盤の手抜き感はさすがに許容しかねる。村人たちまで扇動されて野獣退治に繰り出す理が示されないのは尺の関係もあろうが舐めとりまんな。★1減点しました。
有色系の配分やLGBTへの目配せなどオールマイティターゲットのディズニーらしい抜かりなさだが、この物語の本質である人を見た目で判断することの浅はかさは通り一遍にしか感じられません。
必要なのは、もっと身悶えするような本気の愛を!ですよ。
ミュージカルの大構えな楽曲が冴える前半はそれなりに楽しいが、その最高潮がCGでの食卓シーンでは人間様は遣る瀬無い。何より見てくれに囚われぬ絶対愛を高らかに謳い上げるには、彼女の感情への踏み込みが生半可。だから野獣が男前に戻ってもどっちらけ。(cinemascape)