男の痰壺

映画の感想中心です

映画 2024

11月のある昼下がり、左腕の肘に違和感を感じ何やろかと服をめくってみて驚愕した。見たこともないようなどでかい瘤が肘から飛び出してる。2センチを超える異様なそれを見て俺は死を覚悟した。急性の悪性腫瘍がたかが3、4時間の間に俺の体を蝕んでるんや、終わりや、さよなら、と覚悟を決めて外科に行ったらエコーで見て水やね、と言われた。注射をズブリと刺して抜いたそれは赤かった。血やね,と医者は言って俺のスマホお薬手帳アプリを見て血液サラサラの飲んではるからそれちゃうかな、と言った。あらためて俺の体はボロボロなんやなと思った。

しばらくして、雨の日に仕事して濡れ鼠と化したまま数時間会社にいた。寒気を感じて、ヤバい、このままでは風邪ひくやんけと帰って寝たら、風邪はひかんかったけど翌日から激しい下痢になった。下痢なんて出るもの出たら治るのが常だったのに、結局4日間ひたすらビオフェルミンを飲みつつ下痢は続いた。ちょっとお茶飲んでもすぐ出るので怖くて何も口に出来ず俺の体はどんどん衰弱するのであった。老化した腸は回復機能を失いつつあるのだ。

そんななか、シネスケのSNT氏から忘年会やらんのかいと督促が来た。仕事も異常な人不足から休みも突然無くなるみたいなことが常態化し、日取りも決めかねるなか、体の衰亡が俺を苛んでいた。前向きな気持ちになれず、やむなく1月に新年会ってことにしてもらった。

12月に入り、脳梗塞心筋梗塞の予後観察で休みをとって病院に行ったとき、ついでやからと皮膚科のクリニックにも行った。以前も書いたが俺の頭は脂蝋性皮膚炎に冒され、最初は爺いの皮膚科に行ったのだが半年も通わされて埒が開かず、見切りをつけ、若い女の先生のオシャレなクリニックに行き、診察時間わずか1分で処方箋を書かれ、これつけても治らんかったら又来て、と再診の強要もない。ドライ&クールなビューティ女医に俺の心はときめくのであった。今回、再発を機に再び頭を見てもらうべく赴き、ついでに異常事態になっている足の水虫も見てもらった。汚く臭い足を美人女医に曝け出すマゾヒスティックなときめき。皮膚片を採り顕微鏡で見ている彼女の横顔を間近に見つつ至福の境地に至る俺なのであった…。

 

とまあ、キリがないのでこのへんにしときますが、身も心もポロポロになり、終末のその日をますます身近に感じた2ヶ月。著名人逝く報道を聞くたびに、何事にも終わりは来るんだと木枯らしが身に沁みる。そんななかでも152本の映画を映画館で見た。以下、印象に残ったものを新作旧作ない混ぜで記す。

 

日本映画 ★★★★★

夜明けのすべて

長屋紳士録

ゴールド・ボーイ

悪は存在しない

かくしごと

先生の白い嘘

THE FIRST SLUMDUNK

ぼくが生きてる、ふたつの世界

 

日本映画 ★★★★

ゴールデンカムイ カラオケ行こ! 青春ジャック止められるか、俺たちを 辰巳 ミッシング 碁盤斬り ルックバック キングダム大将軍の帰還 愛に乱暴 ナミビアの砂漠 はじまりの日 八犬伝 雨の中の慾情

 

外国映画 ★★★★★

彼奴は顔役だ!

ストップ・メイキング・センス

ミニー&モスコウィッツ

カラーパープル

デューン 砂の惑星 PART2

リンダはチキンがたべたい!

人生は四十二から

最後の歓呼

ありふれた教室

密輸 1970

ツイスターズ

ジョーカー フォリ・ア・ドゥ

リトル・ミス・サンシャイン

 

外国映画 ★★★★

ショコラ 枯れ葉 哀れなる者たち 神の道化師、フランチェスコ 落下の解剖学 コヴェナント約束の救出 ARGYLEアーガイル 12日の殺人 オッペンハイマー 異人たち 候補者ビル・マッケイ 猿の惑星キングダム フォロウィング パティモン5望まれざる者 関心領域 マッドマックスフェリオサ WALK UP Shirleyシャーリー シャイン 墓泥棒と失われた女神 美しき仕事 フォールガイ タッカー ヒットマン アビゲイル 宝島 アリゾナのバロン シビル・ウォーアメリカ最後の日 スターリングラード トラップ 自由の代償 雨の訪問者 ドリーム・シナリオ 孤独な場所で チネチッタで会いましょう ザ・バイクライダーズ ヴァラエティ コンドル

 

日本映画は上半期のベストに挙げた「悪は存在しない」が唯一無二に屹立してるとは思うけど他の映画群と余りに違う地平に立ったこれをベストと言ってしまうと他の映画を必死のパッチで作っている監督さんたちに申し訳が立たないよな。とそんな気がして何か出てこないかと縋る気持ちで席を空けて待っていた隙間に「ぽくが生きてる、ふたつの世界」が辛うじて滑り込んだ。常套の母子モノにある深い確執なんてなく、さりげない記憶の断片がフラッシュバックする。そういうことが家族というものの本質だと言われ深く納得する俺がいるのだった。

外国映画も決め手に欠けるラインナップだった。過去作込みで選ぶなら迷いなく「ストップ・メイキング・センス」だが、新作で選ぶとなると迷う。又ぞろの「デューン2」では芸がないなーと天秤にかけた「ジョーカー2」に微妙に重心がかかった。1作目を大して評価しなかった俺は公開後もしばらく見るのを躊躇っていたほどで、その期待値の低さが反作用的に働いたのかもしれない。

旧作では小津やカサヴェテスの未見作が想定通りに席を占める一方でラオール・ウォルシュレオ・マッケリーの全く知らなかった作品に驚いた。シネフィル御用達のサミュエル・フラーニコラス・レイの評価には懐疑的だった俺だが2人の作品に初めて疑念が晴れた年でもあった。

 

そんなわけで2024年ベストは

ぼくが生きてる、ふたつの世界

ジョーカー フォリ・ア・ドゥ

 

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