男の痰壺

映画の感想中心です

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

スリー・キングス

★★★★★ 2013年6月8日(土) トビタシネマ チョイ悪野郎どもが欲を捨て立つ胡散臭さを認めつつ、しかし、妻を子を殺されたイラク男たちの想いは置き去りに能天気ガイは生き延びる。クールを越えブラックに至るアイロニー。朝鮮を中東に置き換えた『M・A・S…

自由を我等に

★★★★ 1981年4月19日(日) SABホール 大甘理想主義を謳歌する映画だが、予想外にクールなデザインも有している。そのあたりの欧州的ニヒリズムの存在がキャプラとかの勇気と信念のマッチョな透徹と同工にして異曲だ。工場シーンが『モダン・タイムス』の…

ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密

★★★★★ 2020年1月31日(金) TOHOシネマズ梅田9 監督ライアン・ジョンソンがアガサ・クリスティに捧げた作とのことであるが、「オリエント急行殺人事件」と「ナイル殺人事件」を映画で見た程度の俺には有難味がわかんない。 ではあるが、これはミステリ…

グランド・マスター

★★★★★ 2013年6月2日(日) MOVIXあまがさき5 ど素人のトニーをカット割りとスローで修飾したのではなく、カーウァイの必然としてそうなった。魂は逸らしてない。武芸に秀でても普通人な葉門を翻弄する時代の流れ。流れに抗して潰える高潔な魂ツィイー…

スペース・サタン

★★★ 1981年4月29日(水) 伊丹ローズ劇場 老年ドーネンのセンスに期するものもないのだが、存外に低予算が醸す暗く孤独感に充ちた世界が宇宙のリアルな表現に適っている。老人が若い女子と2人っきり世界の桃源が若い闖入者によって浸食されてロボット込みの…

モリツリ 南太平洋爆破作戦

★★★ 2020年2月2日(日) プラネットスタジオプラス1 マーロン・ブランドとユル・ブリンナー共演の戦争映画って割には、「モリツリ?なにそれ」って感じで知らんかった。 見て成る程と思った。地味です。そして、たぶん低予算映画だ。 「南太平洋爆破作戦」…

G.I.ジョー バック2リベンジ

★★★ 2013年6月8日(土) 梅田ブルク7シアター1 数多くのキャラが各々一応は立ってた前作に比べ、なんじゃこれはという感じで、いっそスネークアイとジンクス2人の嬉し恥かし世界に耽溺したかった。町に戻ったドウェインのここぞとばかりの眼力披露メンチ…

私が棄てた女

★★★★★ 1981年2月15日(日) ŞABホール 棄てたのは、過去や階級であり親兄弟や自分史であるという自己反省と自己憐憫の高踏的語り口の彼方から、枠を撃ち抜き自走し始める奇跡の天使小林トシエのキャスティングこそ総て。それだけに、敢えて理に落ちたラスト…

リチャード・ジュエル

★★★★ 2020年1月28日(火) TOHOシネマズ梅田5 冤罪もんってことになるのだろうが、よくある容疑者・検察・弁護士・マスコミの駆け引きが錯綜して虚実が混濁するような話ではない。 主人公が嫌疑をかけられた序盤で、サム・ロックウェルの弁護士が助手と…

コンシェンス 裏切りの炎

★★★ 2013年6月8日(土) トビタシネマ 主役2人の確執は大して劇的緊密があるわけでもなく、寧ろカイチーやパオチャンたち双方の脇キャラの切実なドラマが泣ける。だが、何と言ってもダンテ・ラムの過剰が炸裂するクライマックス。炎と水と火薬と血と赤ん坊…

子どものころ戦争があった

★★★ 1981年2月24日(火) 伊丹ローズ劇場 慎ましやかで良い映画だとは思うが、こういう金髪碧眼の美少女の悲話を多くのエピソードの中から選択した時点で既に売らんかなの姿勢が透けてる気もするし、可哀想というだけではなく現在に繋がる指針をこそ呈示する…

風の電話

★★★★★ 2020年1月26日(日) MOVIXあまがあき5 諏訪敦彦の映画は最初期の「2/デュオ」を見たっきりで、その後見ていなかった。 フランス資本との提携らしい近年の作にも関心はあったのだが、ミニマムな私的世界を題材にする彼の作風が、見る側の一種…