男の痰壺

映画の感想中心です

TENET テネット

★★★ 2020年9月24日(木) 大阪ステーションシティシネマ

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曰くありげなハッタリをかましつつ、やがて見えてくる本質はチンケで旧態な代物であったという正調ノーラン映画で、似たような印象を受けたという点で「ダークナイト ライジング」を思い出しました。

 

時間逆行というロジックが、俺の頭悪さ故にどうにもストンと落ちてこない。標的から銃弾が戻ってきて銃身に収まるという逆行軸の現象は、銃を撃って相手を倒すという順行軸の行為にどう関与するのか。映画はそこからは逃げてるような気がする。

代わりに出てきたのが、時間遡行のモチーフで、一旦通しで見せた出来事を裏面から繰り返し、あーそういうことやったんかの種明かしであります。でも、これは大して新しくもない。

 

終盤、いてもうたれの一斉攻撃ってのも、「スター・ウォーズ」とかマーベルとかの論法に乗っかって迎合的。逆行部隊と順行部隊が同時作戦って逆行の奴らはムーンウォークよろしく後下りの意味不明。爆破の逆回転で破砕塵が地中に吸い込まれるのんオモロイわー、でも繰り返しすぎてもーええわー、で最後の3竦みは「続・夕陽のガンマン」でっか。

 

ケネス・ブラナーの悪の造形をはじめ、この映画、どっかで見たようなアイデアの継ぎ接ぎに見えます。それを逆行の1点突破で括ったが無理筋だったみたい。

 

デンゼル・ジュニアが主役大抜擢なのだが、これといった何かは感じ取れなかった。かわりにロバート・パティンソンのこと初めて良いと思いました。

 

ブラナーが逆行をどう利してるのか不明で、主演コンビがやってることが自作自演の絵解きにしか見えない。ノーランはリアルな世界の軸が見えてないのでスパイ映画ってもガキのお遊びになる。そんなに逆回しがオモロイのか、よかったねとしか言えない。(cinemascape)

 

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