男の痰壺

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わたしは金正男を殺してない

★★★ 2021年1月14日(木) 新世界国際劇場

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事件の前、実行者に信じ込ませるために、何度もイタズラ動画の撮影を行ったとか、事件後、拘束された彼女達が裁判でどのような顛末に至ったか、など興味深いっちゃあそうなんだが。

まあ、しかし、この事件の構図は判り易いものなんで、あらためて何かが飛び出してきたりはしない。

 

やはり、本質は保身の為には側近だろうが身内だろうが片っ端から粛清してしまう金正恩の幼児性や異常さなので、そこにまで迫らないと意味がないと思えた。

 

女性2人の出自が裁判の明暗を分ける。インドネシア人のシティが無罪の判決で帰国の途についた後も、ベトナム人のドアンは勾留され続ける。それぞれの母国の北との関係が、マレーシア当局に働きかけるかけないを左右したらしい。

 

折しも我が邦人も中国でスパイ容疑で有罪判決を受け勾留されている。

拉致被害者の問題も含め、異国の地で必ず母国が何とかしてくれると願い続ける人たちがいる。そのことに改めて思いを馳せるきっかけにはなりました。

 

保身の為に側近でも身内でも片っ端から粛清する金正恩の幼児性・異常性にまで迫れないのが物足りぬが、事件の事前・事後の顛末を克明には追っている。実行犯に仕立て上げられた2人の各々の母国の北との関係性が個人の命運を左右する。冷徹な事実なんだろう。(cinemascape)

 

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