男の痰壺

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ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章

★★★★ 2017年8月17日(木) 大阪ステーションシティシネマ10
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原作は未読。
予告篇を見て、いかな三池ファンである俺としても今回はパスしようと思っていた。
あのスタンドっていう特殊能力の北斗の拳の背後霊みたいなCGにげんなりしていたから。
 
出だし10分で良いって思ったが、それは、杜王町という架空の町の造形だ。
スペインの地方都市にかなり大がかりなロケをして、それを日本国内のロケとセット撮影に繋げている。
こういうのは、なかなか光の違いってのを克服できないもんっす。
あと、空気の違いもでしょうかね。
で、この映画は、そこをあっさりクリアしてる。
「三池組」の仕事は年々ハイブローになってるんすなあ。
 
山田孝之が作りこんで演じる悪役だが、いったいどんだけエゲツナイことしよるんやろ。
…との思いは、あっさり裏切られます。
スタンドを瓶詰にされて、公園でのた打ち回る山田孝之
弱ー!弱すぎです。
 
ジョジョも、なんだか粋がったかっこうの割にはお爺さんやお母さんを大事にしてる。
良い子なんです。
 
そのあたりで気づきました。
これは、正道な少年漫画なんだと。
ジョジョは悟空やルフィと同じなんだと。
 
そうすれば、世界が変わって見えてくる。
山崎賢人の下膨れなおぼこいマスクも正道です。
伊勢谷の超絶にイケてない帽子も正道。
兄貴が逝っても仲良しこよしな真剣祐も正道。
 
さすが三池だと思いました。
 
鬼面人を威す展開が馬脚を顕すとき俺の脳内で周回した疑念は合点に行き着く。これは正道な少年漫画だったんだと。その根幹を外さぬ三池のブレの無さこそ肝。予想外に計算行き届いた架空の町の創出に惹かれ、山田・伊勢谷の徹したバカ演技に納得。(cinemascape)