★★★★ 2018年1月30日(火) 大阪ステーションシティシネマ3
本卦還りとでも言おうか…最初期の「HOUSE」や「ねらわれた学園」のテイストで驚いた。
正直、もうあかんわって感じて見切りつけたのだと思う。
市川崑ばりの編集で見せる手法が中心で、奇想的なオプチカルとかは、めっきり影を潜めていたからだ。
たぶん、この花筐も、その延長だろうと思って見たのだが…。
もう、全篇オプチカル(CGなのかもしれないがテイストは光学的処理)てんこ盛りっす。
ワンカットも素で提示されたものがない。
全カット盛ってます。
丁度、清順が晩年になって「ツィゴイネルワイゼン」で狂い咲きしたのと同じ豊穣と達観を感じる。
が、しかし、それでも、随所で甘い。
・常盤貴子の役は必要か。
・満島真之助の役はぶれてないか。
・戦争が、あまりに物語の背景に甘んじてないか。
などなど…。
まあ、ともかくどうこう言っても、この巨大でギミック満載の映画を堪能しました。
本卦還りとでも言うべきオプティカル盛りまくりの演出と馴染みの出演者たちに総決算の趣がある。男女6人の黄泉や戦場に隣接した青春の華やぎは儚いからこそ永遠なのだ。生き伸びてしまった苦渋を詠嘆するには物語強度が不足。常盤の役が徒に拡散させた。(cinemascape)