男の痰壺

映画の感想中心です

おもひでのしずく (2004年1月15日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。

 

転換点

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映画『ファインディング・ニモ』を見たい…とずっと思っていた。
親爺が捕らわれた息子を捜すという話と聞いただけでも既にたまらんもんがある。
俺も親爺であり、小さい息子たちがいるから、あのCMで魚の父子が頬をすりすりして喜び合っている様を見るとキュンと来る。
小さな子供の肌はアンビリーバブルにきめ細かく美しい。俺はすりすりしたことなど恥ずかしくって未だ無いが、すれば気持ちいいだろう。

最近、俺は映画を見てよく泣く。
半落ち』と『ジョゼと虎と魚たち』という映画では不覚にも嗚咽の声が漏れそうになったほどだ。しかし、苦い涙であった。感動と喜びで、とどめの涙を流したい。

で、昨日見に行こうとした。
わくわくして映画館に向かう俺の頭は「海」一色だった。
余りにも「海」一色すぎたのかも知れない。
何故か途中で「CR海物語」の看板の誘うかのような、マリンちゃんの笑みに吸引されて、俺の体は気がつくとパチンコ屋の中にあったのだった。
しかも何故か「サンダーバード」という機種に座っていた。
4回もあの勇壮極まりない主題曲を聞いたのだが、最後には財布は空になっていた。
4連チャンで即座にやめれば2万弱のお金を持って『ファインディング・ニモ』を見れたのだ。

流れの転換点は必ず来る。しかし、それを見定めるには知識と経験が要るし、逃さない為には意志力が要る。
俺は転換点を逃してしまった。

あとは次の機会が到来するのを辛抱強く待つしかない。長く辛い日々の始まりであった
…とさ。