男の痰壺

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キル・チーム

★★★ 2021年1月23日(土) シネリーブル梅田3

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実話に基づいてるって重みを加味しても尚、手垢のついた題材。米軍隊内部の腐敗を描いたものは「プラトーン」や「カジュアリティーズ」など枚挙にいとまがない。

しかも、低予算であるから派手な戦闘シーンなどは盛り込めない。偵察作戦みたいなのを繰り返すのみです。

 

あらためて思ったのは、戦場と民間人の居住区がクロスオーバーしている戦闘の困難さで、そういう中では戦闘員と民間人を識別することなんてできない相談に思えるんです。小さな子供だって手榴弾を隠し持ってるかもしれない。

現実のベトナム中東戦争では、民間人を誤殺したなんて話は表にされないだけで、相当あるんじゃないでしょうか。

主人公の上官である軍曹の言う論理は、そのへんを更に突き詰めたもので、あいつらは、決して地雷を踏んで死ぬことはない、何故なら何処に地雷があるかを知ってるからだ、てことは、準戦闘員ってことなんじゃねえか。

俺は、この理屈は正しいと思います。

ただ、だからといって、無抵抗の民間人を引っ立てて無理矢理に武器を持たせて嬲り殺しにするというのは、理屈を捻じ曲げている。

 

この軍曹は幼い息子を愛する良きパパである一面が描かれる。その彼が戦場で倫理を放逐し無駄な殺戮を繰り返す男に変貌した。そのメカニズムをこそ映画は描くべきだったんじゃないだろうか。