男の痰壺

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甦る昭和歌謡 vol.21

都はるみ・岡千秋 浪花恋しぐれ - YouTube

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何週間か前に、むしゃくしゃするからカラオケに連れてけと言われて女房と嫌がる次男と3人で行った。

正直、もうカラオケ行ってもあまり楽しくもなく、ましてや家族だけだと緊張のカケラもないダルな時間が過ぎていく。定食であるハマショーのマネーや拓郎の落陽などを粛々と熟す俺であった。

やがて、時間となり最後にと言われてこの曲を歌うことになった。しっとりした曲を今更女房と歌っても仕方ないから。でも、この曲、歌ったことがないわけではないが、長い台詞に不安もあった。何せ俺は脳梗塞を3度も発症してる(心筋梗塞も1回)人間で、幸運にも大きな後遺症は残らずに済んでるのだが呂律にその影響があると自覚している。人にそのことを言っても元々から呂律回ってなかったしと言われる程度ではあるが。

 

で、そのときがやってくる。「そりゃあわいはアホや」とアレ、しっかり言えてるやん、すらすらとトチることなく言えてるでーと気持ちが入ってくる。そして、「わかるやろ◯◯(女房の名前に変更)なんやその辛気臭い顔は」で全身で快感シナプスが発芽する。でも顔をまともに見ては言えない。それでも、「酒や酒や酒買うてこーい」を全身全霊で高らかに唱えたとき俺は脊髄神経の滞りが一瞬で消えたような爽快な気分を味わったのだ。呂律の後遺症を吹き飛ばす初めての経験であった。

 

人は深層心理の奥底に溜まった堆積物を定期的に吐き出さないと心が病んでしまう。この歌はそういう意味で男の清涼剤であろう。

女房は二度と歌ってはくれんでしょうがね。