男の痰壺

映画の感想中心です

黒澤明の映画はこう作られた 証言・秘蔵資料からよみがえる巨匠の制作現場

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今更の黒澤にまつわるドキュメンタリーをBSで再放送してたので録画して正月に見ました。

主に取り上げられている作品は「羅生門」「椿三十郎」「天国と地獄」「どですかでん」「デルス・ウザーラ「乱」「夢」などで、証言者として、仲代達矢山崎努、井川比佐志や「羅生門」以降のスクリプター野上照代など。

山崎の「天国と地獄」に関する思い出や野上の「デルス・ウザーラ」に関する後悔など、初めて聞く心打つ証言も多々ありました。

そういった生き証人の人たちから話が聞けるのも、もう最後なんでしょうね。

 

感慨に耽る俺であったが、突然出てきたオッサンの映像が俺のアルコール漬けの脳髄に突き刺さり40年の時空を超えてスパークした。名前とオッサンの顔が何度も交錯してはシンクロし損なって上手く重ならない。でも、間違いない。

「乱」のメイキングフィルムを撮ったその男は学生時代に俺の8ミリ自主映画で主演した男なのであった。紅顔の美少年の面影はなく、知らずに会ったら絶対わからんだろう。歳月の重みを感じ打ちひしがれた俺は更なるアルコールに耽溺していく。

 

そして、アルコールが抜けて向き合う世界には苦難の日々が待ち受けている。それも又人生かな。ガーハッハッハッ。あー。