★★★ 2022年7月19日(火) 新世界国際劇場
マイケル・ベイにほとんど期待するものはないのだが、何だか評判いいみたいで若しかしたらの思いもあった。が、やはり所詮はマイケル・ベイはマイケル・ベイでしかなかった。
「俺は爆破のレシピを持ってるのさ」と嘯くマイケル・ベイなんですけど、そんなレシピみたいな同じもん作る方途を自慢げにご開陳することからして作り手として止まってしまってます。案の定、見飽きたような爆破やカースタントでそれを空撮をやたら織り交ぜてファミレスの定食みたいな感じ。
未公開のデンマーク映画のリブートみたいなんですけど、設定やストーリーもどうなんと思います。銀行強盗を大掛かりなチームを組んでやらかすのだが、あまりに杜撰な感じで、これじゃ失敗しても仕方ないわと思わせる。のっけからこの調子だから万事大味な成り行き。まあ、そんなシビアなピリピリしたもん作ろうとも思ってないんでしょうけど。
ちょっと良いなと思ったのは、警察側のキャラで、LA市警の警部の遊び着と後から参入するFBI捜査官のスーツの対称性。2人とも知らない役者だがキャラ立ちしてました。
終盤、黒人・白人の義兄弟という設定が活かされて、少し胸のつかえがおりた。ここで加点しました。
杜撰な計画が失敗して当然なら追う側の打つ手もまるで見えない体たらくで、それをベイ自慢のレシピでグリングリンの空撮とドカンドカンのカークラッシュで料理して新味の欠片もない。市警・FBI両指揮官はナイスなキャラ。終盤で迸る義兄弟の絆も良い。(cinemascape)