男の痰壺

映画の感想中心です

団栗と椎の實

★★★ 2018年5月19日(土) プラネットスタジオプラスワン
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名匠、清水宏の短篇であります。
団栗とは田舎の腕白な子供。
椎の實とは都会のひ弱な子供のこと。
 
どういう事情か知りませんが1人の都会の子供が田舎のおじさんに貰われっ子。
当時は子供を1人あげるわってなことも普通にやったんですな。
貰われた子供もサバサバしたもんです。
 
ただ、田舎の子供たちのヤンチャな遊びが性に合わない。
一緒に遊ぼうとしない子供を見ておじさんは外れひいてもうたってな感じ。
実に遠慮も無くサバサバであります。
 
映画は既定の路線で収束を迎えます。
それよりも、人の気持ちを斟酌しすぎな現代へのアンチテーゼとして大変おもしろい。
 
形勢逆転の契機は一見無責任な放置である点で斟酌上等の現代教育の疑点を、貰い子が珍しくない時代が子供の情操教育にマイナスではないことでガキ天下の弊害を、今改めて再考すべき。煌く陽光や埃っぽい畦道など時代の映し鏡としての映画はかくも素晴らしい。(cinemascape)