男の痰壺

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グンダラ ライズ・オブ・ヒーロー

★★★★ 2021年1月14日(木) 新世界国際劇場

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マーベルやDCユニバースの映画を見ても、セントラルキッチンで調理されたファミレスの料理みたいなもんで、もはや何の刺激も感じなくなった俺であるが、インドネシア産のこれは、プリミティブな情動が充ちている点で新鮮。ベタですけど。

 

貧しさに呵責がない。泥濘の道路にブチ撒けられた飯粒だって食わないと生きていけない。同じ境遇のストリートチルドレンは悪意を剥き出して襲いかかる。香港映画のテイストに似ている。

そんな少年時代を過ごした彼が大人になってノーブルでプレーンなのに驚くのだが、この衒いのない世界だからそれが成立する。

 

ゴッサムシティのような悪行が蔓延る街で、政財界に力を浸透させるヒールとその多彩な手下たち。主人公にだんだん惹かれていく勝気な美女。まあ、定番の設定ではあります。

しかし、この映画、どうも連作されるシリーズの初作みたいで、回収されないフリがゴロゴロある。幼少期に武術を指南してくれた少年が再登場すると思ってたがしなかった。次作以降なんだろう。母親の行方、終盤に唐突に現れた女性の能力者、その他もろもろ。

 

次作は日本で公開されるのか。いや、その前にそもそも次作があるのか。

あって公開されるなら見てみたい。そう思わせる出来だと思います。

 

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