男の痰壺

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ザ・スイッチ

★★★★ 2021年8月8日(日) 新世界国際劇場

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男女の中身が入れ替わるって話は「転校生」がながらく独立独歩の位置を保ってきたと思うのだが、「君の名は。」が契機かどうか知らんがここのところ我が国テレビドラマを含め頻出し出してるみたいだ。ジェンダー障壁の融解が影響してるのかは知りません。

ただ、性の逆転という命題を突っ込んでやると生々しくなるので、大概はオッパイ見て鼻血ブーとかチ◯コ見てゲロゲロー程度で済ませるのが大人の慎みというもんで、アメリカ映画の本作もそのへん同じです。

 

【以下ネタバレです】

互いの立場が変わることによって今まで見えなかったものが見えたりわかったりする。それによって人間が一回り成長する。

はずだが、サイコな殺人鬼と地味でイケてない女子高生の間では互いを解り合うことなどナンセンスなので、そんなドラマなど生じるはずもない。所詮はネタ止まりやろ。

と思ってたら、最終盤で彼女の生き方にダメ出しする殺人鬼という帳尻があって筋通してくれます。ここで★1つ加点しました。

 

ジャンル映画としての見どころは見た目女子高生中身殺人鬼が繰り広げるゴアな殺戮で、電ノコ身体縦割りやチェーソー股間裂きなど良い意味で振り切れてる(寸止め描写ですが)。

キャスリン・ニュートンもいいが、中身女子高生のヴィンス・ヴォーンが難役をモノにして過剰演技の居心地の悪さがないのも良。

 

入れ替わることで何かを知り成長する。なわけないやろな女子高生と殺人鬼だが、きっちりダメ出ししてくれる殺人鬼に物語の帳尻がついた。寸止めゴア描写だが徹底した男性嫌悪に根ざした痛々しさが寧ろ清々しいアンビバレンツ。ヴィンスの抑制も程良い。(cinemascape)

 

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